著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成27(ネ)10123
判決日2016-12-26
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法112条1項

この事件の代理人

  • 内藤篤(被告代理人)/第一東京弁護士会
  • 望月晶子(原告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は,原判決「事実及び理由」欄の第3に記載のとおりである。
3 争点に対する当事者の主張
本件の争点に対する当事者の主張は,下記(1)のとおり原判決を補正し,下記(2)
及び(3)のとおり当審における控訴人の補充主張とそれに対する被控訴人の反論を加
えるほかは,原判決「事実及び理由」欄の第4に記載のとおりである。
(1) 原判決の補正
原判決「事実及び理由」欄の第4の1(5頁1行~9頁1行)を,次のとおり改
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める(なお,原判決と異なる部分(ただし,細かな表現についての訂正等を除く。)
については,ゴシック体で表記する。)。
「1 争点1(著作権〔翻案権・複製権〕侵害の成否)について
【被控訴人の主張】
(1) 本件各著作物の翻案権侵害について
ア 本件映画のストーリーの構成と本件各著作物の構成
本件映画のストーリーは,①主人公の女性が性犯罪被害に遭い,②そのことが原
因で両親や恋人,夫との人間関係が壊れていくが,③実名で性犯罪被害者のための
ウェブサイトを立ち上げ,テレビで性犯罪被害の実態について話したりしたことで
多くの性犯罪被害者との交流が生まれる,④しかし,両親にはついに理解されず,
最後に両親に殺されてしまうというものである。この①ないし④のうちの①ないし
③の構成は,本件各著作物と同じである。すなわち,起承転結のうちの「起承転」
に当たる以下に掲げたエピソードまでは,本件各著作物と同じであり,本件映画の
結末では,主人公が両親に殺されてしまうエピソードがあり,その点だけが異なる
にすぎない。
イ 本件映画のエピソードから本件各著作物の表現上の本質的特徴を直接感
得できること
(ア) 言語の著作物と映画は表現形態が異なるから,映画の形式で表現しよ
うとすれば,原作の言語の著作物と同じ体裁にはならず,原作の言語の著作物の単
語の選び方,語順,改行その他の文体といったものは,映画には表れない。また,
言語の著作物において,言葉で明示的に表現されている登場人物の思考や感情など
も,映画では明示的に描かれないことが多い。映画では,登場人物の台詞やストー
リー,プロットなどだけでなく,登場人物の行動・仕草・表情,構図,カット割り,
効果音,BGMといった言語の著作物にない様々な視覚的・聴覚的要素も駆使して
表現するものであるから,台詞に表れない登場人物の思考や感情なども表現されて
いることに留意する必要がある。
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主文(判決文より)

1 原判決主文第1項ないし第4項を次のとおり変更する。
(1) 控訴人は,別紙翻案権侵害認定表現目録記載1ないし7の表現を含
む別紙物件目録記載の映画を上映し,複製し,公衆送信し,送信可能
化し,又は同映画の複製物を頒布してはならない。
(2) 控訴人は,別紙人格権侵害認定表現目録記載1ないし4に記載の表
現を含む別紙物件目録記載の映画を上映し,公衆送信し,送信可能化
し,又は同映画の複製物を頒布してはならない。
(3) 控訴人は,別紙合意に基づく差止一覧記載の赤色部分,緑色部分及
び水色部分の表現を含む別紙物件目録記載の映画を上映し,複製し,
公衆送信し,送信可能化し,又は同映画の複製物を頒布してはならな
い。
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(4) 控訴人は,別紙翻案権侵害認定表現目録記載1ないし7の表現を含
む別紙物件目録記載の映画のマスターテープ又はマスターデータ及び
これらの複製物を廃棄せよ。
(5) 控訴人は,被控訴人に対し,55万円及びこれに対する平成26年
5月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(6) 被控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その1を控訴人の
負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
3 この判決は,第1項(5)に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。