事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(う)297 |
| 判決日 | 2020-02-04 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法14条 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点となっていた。そして,原判 決は,N3會に対する上納金の存在及び分配状況,被告人N2による第1系列口座, 第2系列口座及び第3系列口座の管理や各口座への入金の状況,第2系列口座から の4件(実質3件)の出金の使途等の間接事実を総合して,第2系列口座には上納 金からの被告人N1の取り分が入金されており,それらの金銭は実質的にみて被告 人N1に帰属するものであると認定したものである。なお,原判決は,被告人N1 のほ脱所得と認定した本件分配収入は雑所得に該当し,本件分配収入に関する雑所 得の金額を計算するに当たり,必要経費はないと認定している。 このように,原判決は,客観的に明らかとなっている第2系列口座に一定比率等 で入金された金銭(本件分配収入)の額をもってほ脱所得と認定しているのであり, ほ脱所得の金額の認定に当たって,いわゆる推計の方法を用いているものではない。 また,本件分配収入の性質や,それらが実質的にみて誰に帰属するものであるかを, 間接事実を総合して認定することは,それが論理則,経験則等に照らして合理的で ある限り,刑事裁判における一般的な事実認定の手法として当然に許容されるべき ものであり,間接事実の認定やそれらの間接事実からの推認の過程に経験則等に照 らして不合理な点があるとして事実誤認の問題が生じることはあっても,そのよう な認定手法を取ったこと自体に,所論のいうような違憲,違法な点があるとはいえ ない。 2 所論は,(1) 原判決は,第2系列口座への入金について,入金のごく一部を 紐付けしただけで,その全額をそのまま被告人N1の所得とし,その内容を全く考 慮の外に置いている,(2) 第2系列口座からの出金のごく一部を検討しただけで, その他の大半の出金につき反面調査がされないまま,証拠による裏付けもないまま, その全額を被告人N1のためにする出金と認定している,などという。 確かに,所論のいうように,原判決は,第2系列口座の入金の全てについて反面 調査等の結果により上納金からの被告人N1の取り分であると認定しているもので はないし,出金の全てについて反面調査等の結果によりその使途を認定しているも のでもないが,そもそも,特定の口座に入金された金銭の性質やその帰属を認定す るに当たって,同口座の入金の出処や出金の使途の全てについて直接何らかの資料 によって認定しなければならないという理由はない。原判決は,被告人N2が管理 していた第1系列口座ないし第3系列口座の入金状況から,被告人N2がN3會に 関して得た巨額の金銭を何らかの明確な目的・法則の下で継続的に管理していたと うかがわれること(なお,そのうち1件については,N28のぱちんこ店出店に関 する上納金の分配であると認定している。)や,N3會に対する上納金の存在及び その分配状況等の事
主文(判決文より)
本件各控訴を棄却する。 被告人N1に対し,当審における未決勾留日数中360日を原判決の 懲役刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。