特許権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10033
判決日2024-10-29
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項
当事者控訴人 アルフィン株式会社/被控訴人 株式会社ダイケン

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は、後記3のとおり控訴人の
当審における補充主張を、後記4のとおり控訴人の当審における追加主張を、
後記5のとおり控訴人の当審における追加的主張に対する被控訴人の反論を、
それぞれ付加するほか、原判決「事実及び理由」第2の2、3及び第3(2頁
17行目から5頁4行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。た
だし、原判決3頁23行目の「2 争点」を「3 争点」に改める。
3 当審における控訴人の補充主張(文言侵害について)
⑴ 原判決は、構成要件B2の「庇板の開放された前端面に当接され前面が雨
水を下方へ導くガイド面となっている縦板部」を「庇板の開放された前端面
に当接されかつ当接部分の前面が雨水を下方へ導くガイド面となっている縦
板部」と解釈した。これは、構成要件B2の「縦板部」を、本件明細書中の
図7に示された実施例(以下「本件明細書の図7実施例」という。)に限定解
釈したものである。
しかし、本件明細書に他の実施例の記載がないからといって、上記の限定
解釈をすることは妥当でない。被控訴人製品が本件発明の技術的範囲に属す
るか否かは、特許請求の範囲の記載に基づいて判断されなければならない。
原判決は、構成要件B2が「庇板の開放された前端面に当接されかつ当接部
分の前面」との限定的な記載ではないにもかかわらず、本件明細書の図7実
施例の実施形態に限定した解釈を行っており、誤りがある。
⑵ 本件発明に係る特許請求の範囲では、「当接部分」と「前面が雨水を下方へ
導くガイド面となっている部分」との位置関係は特定されていない。
本件明細書における「縦板部」を「上下方向の板」と解するのは、「縦板部」
の「部」の文言を無視するものである。「縦板部」の「部」は「分けること、
分けた一区分」を意味するところ、「縦板部」は全体として一つの造語であり、
造語中に「縦」の語を含むことから「縦方向(上下方向)」ないし「縦向き」
の意味合いを有するが、分けられた前縁板の一区分を指すものである。本件
明細書の「横板部」も、同様に一つの造語であり、分けられた前縁板の一区
分を指すものであって、庇板の前端面の位置を境として、概ね縦向きの姿勢
の部分が「縦板部」、概ね横向きの姿勢の部分が「横板部」である。「縦板部」
の「縦」の文言から、「縦板部」は、上下方向の板であって、この上下方向の
板の前面が「下方へ導くガイド面」となっておりかつ「開放された前端面に
当接され」ているものを指すと限定的に解することはできない。原判決別紙
「図面」の「原告主張図1」及び「原告主張図2」のとおり、被控訴人製品
の折れ板部140は、水平方向の長さと上下方向の長さが1対2以上で、全
体的には縦向きの姿勢であり、水平方向の部分(張出部142)があっても
「縦板部」に該当する。

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。