損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10093
判決日2024-03-28
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法10条1項7号、著作権法114条3項
当事者被控訴人 株式会社アーク出版

この事件の代理人

  • 吉峯裕毅(控訴人代理人)/東京弁護士会
  • 三山裕三(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は、後記3のとおり補正し、
後記4のとおり当審における控訴人の補充主張を付加し、後記5のとおり控訴
人の補充主張に対する被控訴人の反論を付加するほか、原判決「事実及び理由」
第2の2ないし4(2頁10行目から21頁17行目まで)記載のとおりであ
るから、これを引用する。
3 原判決の補正
⑴ 原判決3頁20行目及び4頁2行目の「本件映像の著作物性」を「本件映
像の著作物性及び『映画の著作物』該当性」に改める。
⑵ 原判決4頁4行目から同頁6行目までを次のとおり改める。
「ア 本件映像は、控訴人がその全体について創意工夫を尽くして制作したも
のであり、創作性を有する著作物である。
そして、本件映像は、視覚的効果の連続により構成されるものであるか
ら、映画の著作物(著作権法10条1項7号)に該当する。」
⑶ 原判決6頁22行目の「本件映像は著作物に当たらない。」を「本件映像に
著作物性は認められず、本件映像は『映画の著作物』に当たらない。」に改め
る。
⑷ 原判決8頁6行目末尾の「。。」を「。」と改める。
4 当審における控訴人の補充主張
⑴ アニメーション動画の制作過程のうち主要なものは絵コンテ、レイアウト、
背景、原画、動画、彩色、撮影、音響、編集であって、このような細部にお
ける創作活動の集大成がアニメーションの本質である。
そして、このことは、本件映像の「てんかん発作の動き」に係る部分につ
いても同様である。例えば、原画作成については13症例合計609枚、動
画作成については13症例合計1686枚もの多数のデータが用意されてお
り、本件映像のうちてんかん発作の動きのみを抜き出したとしても、当該動
きを実現する方法において作成者の個性が発揮されているから、この点にお
いても著作物性が認められる。
⑵ A医師は、本件映像の制作を最初に着想した者ではあるが、本件映像の具
体的内容に係る企画書等は何ら作成していない。甲106の別紙中「1シナ
リオと香盤表」に記載したとおり、A医師の着想を伝えられて具体的な企画
の形にすべく、本件映像の全体像や設計を担当したのは全て控訴人である。
A医師が本件映像において取り上げる症例及び再生順序を実質的に決定
したのは事実であるが、本件映像の膨大な制作過程からすればごくわずかな
関与にすぎないし、本件映像は連続自動再生されるとはいえ独立した13症
例のアニメーションが組み合わされたものであり、再生順序は単に本件書籍
の順に組み合わせただけであるから、本件映像の制作に当たって重要な意味
をもたない。
また、A医師は、控訴人に対し、てんかん発作に関する参考動画を3例し
か提供しておらず、てんかん発作を起こす人物の見た目や発作前後のイメー
ジ等については、いくつかのコメントはしているものの、本件映像の膨

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
⑴ 被控訴人は、控訴人に対し、88万円及びこれに対する令和2年1
2月22日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
⑵ 控訴人のその余の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、第1、2審を通じてこれを20分し、その3を被控訴人
の負担とし、その余を控訴人の負担とする。
3 この判決は、第1項⑴に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。