発信者情報開示命令申立却下決定に対する異議控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10082
判決日2023-12-13
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法48条1項
当事者被控訴人 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は、後記3のとおり補正し、
後記4のとおり当審における控訴人の補充主張を付加するほか、原判決「事実
及び理由」第2の2及び3(2頁10行目から5頁16行目まで)記載のとお
りであるから、これを引用する。
3 原判決の補正
⑴ 原判決2頁19行目の「(本件写真)」を「(以下、この撮影した写真を「本
件写真」という。)」に改める。
⑵ 原判決3頁6行目から7行目にかけての「本件と同趣旨の請求を内容とす
る」を「原判決別紙発信者情報目録記載の各情報を開示することを求める」
に改める。
⑶ 原判決3頁17行目の「(以下「本件写真」という。)を「(本件写真)」に
改める。
⑷ 原判決3頁24行目及び4頁3行目の「侵害された」の後にいずれも「こ
とが明らかである」を加える。
4 当審における控訴人の補充主張
⑴ 本件写真の著作物性が認められること
ア 本件写真は、発信者情報開示仮処分命令申立書、管轄上申書及びクリア
ファイルに入れた疎明資料の写しを机の上に重ね、申立書をやや斜めに置
きながら1枚目の8割程度の部分が撮影範囲となるようにしつつ、管轄上
申書の表題部や当事者、日付が見える形にしつつも、控訴人が権利侵害で
あると主張する投稿を秘匿する形で、上記仮処分申立ての対象となってい
ない投稿者に対しても警告を与える意図をもって、被写体の配置を選択し
た。加えて、クリアファイルに入れた疎明資料等と一緒に写すことで、控
訴人の仮処分に対する意気込みを表現している。
このように、控訴人は、写真の選択及び配置において自らの個性が出る
よう工夫しており、単に書面等の大部分を写真の枠内に収まるようほぼ真
上から撮影したものにすぎないとはいえず、本件写真には創作性が認めら
れる。
イ 控訴人は、申立書等に対して焦点が合うように撮影するとともに、背景
がなるべく写らないよう、撮影場所の照明に留意して倍率を調整しながら
撮影しており、これらの点においても創作性が認められる。また、撮影機
材として iPhone を利用し、一部自動設定機能を用いているとしても、それ
を最終的に利用するか一部手動設定するかについても控訴人の創作性に
基づき判断されるものであり、光量、シャッタースピード、ズーム倍率等
についても控訴人の創作性が認められる。
ウ 原判決は、本件写真がありふれた表現に留まるとして著作物に該当しな
いと判断したが、このように解すると、写真の著作者人格権や著作権によ
る保護の範囲が著しく狭まり、著作者の財産的権利や人格権の保護が著し
く低下する。前記ア及びイのとおり、本件写真は、発信者情報開示命令の
申立てをしたことや、そこにある控訴人の意思を表現するために、申立書
類等の配置を工夫して撮影したものである。
本件写真が著作物でないと判断された場合、何人で

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。