事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(行コ)10001 |
| 判決日 | 2023-09-28 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張」は、後記3のとおり 当審における控訴人の補充的主張を付加するほか、原判決の第2の1及び2 (2頁~)に記載するとおりであるから、これを引用する。 3 当審における控訴人の補充的主張 (1) 取消事由1について ア 法44条1項柱書の「特許出願人は」との文言は分割出願に係る出願人 と特許査定を受けた出願人とは同一でなければならないとする主体的要 件を、「特許出願の一部を」の文言は分割出願に係る発明がもとの特許出 願に係る発明に包含されていなければならないとする客体的要件を定め たもので、分割出願の際にもとの出願が係属していなければならないとす ること(時期的要件)を定めたものではない。 イ 法44条1項2号は平成18年法律第55号(以下「改正法」という。) により新設されたものであるところ、同号は、特許料納付期限が30日で あることから、権利範囲を見直して分割するかどうかの判断の期間として 特許査定謄本送達から30日を与えるということを立法趣旨とするもの であり、30日以内であっても設定登録後は分割できないという議論は立 法の過程では何らされておらず、処分行政庁による解釈は改正法の立法趣 旨に反する。 ウ 「特許出願人」と規定されていても「特許権者」と解釈すべき条文があ り(法65条1項)、法44条1項柱書に「特許出願人」と規定されている からといって、直ちに特許出願が特許庁に係属していることを要件とする と解することはできない。 エ 特許査定を起算日とした期間で分割出願を認めている中国や台湾におい ては、特許登録がいつされたかによって当該期間が影響を受けることがな いという運用を行っている。 (2) 取消事由2について 原審においても主張したとおり、特許登録という行政処分について、特許 権という独占権の発生という効果とは別に分割出願不可化という効果が生 じるのであれば、当該効果の部分については少なくともその名宛人である特 許出願人に通知されて初めて効果が生じるのであり、したがって、分割出願 不可化の効力が生ずるのは、特許証を受領した日と解すべきである。この点、 原判決は、特許権の対世的効力が控訴人との関係においてのみ別異の時期に 発生すると控訴人が主張したと曲解して判断しているが、特許を含め、名宛 人のある行政処分については、その行政処分がその名宛人に対して告知され て初めて効果を生じるとの通説・判例として確立している解釈に反するもの である。
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。