著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成27(ネ)10049
判決日2015-11-10
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法3条1項、著作権法21条、著作権法23条
当事者控訴人 株式会社エスプリライン/被控訴人 エス株式会社

この事件の代理人

  • 神田知宏(控訴人代理人)/第二東京弁護士会
  • 平津慎副(控訴人代理人)/第一東京弁護士会
  • 齋藤有志(被控訴人代理人)/広島弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
次のとおり,当審における主張を追加するほか,原判決第2の2「争点」及び第
3「争点に関する当事者の主張」(原判決2頁10行目~10頁25行目)に記載の
とおりであるから,これを引用する。
(当審における当事者の追加主張)
1 控訴人
(1) 控訴人キャッチフレーズ2の創作性
一般論として,キャッチフレーズのように簡略で短いフレーズの多くは著作物と
して保護されないと言われることがあるが,創作性の有無は,思想・感情の創作的
表現であるか否かという問題であって,その本質は長さの点にはない。俳句の例か
らも明らかなように,短い表現であるからといって,一つのカテゴリーとして一律
に創作性を否定することはできず,結局,創作性の有無は,問題となる具体的表現
内容に即して表現ごとにケースバイケースで判断されるべき問題である。
控訴人キャッチフレーズ2についても,以下の点を十分考慮すると,著作物性が
肯定されるべきである。
創作性については,高い独創性まで要求されておらず,何らかの個性が現れてい
ればよいと解されており,控訴人キャッチフレーズ2についても,創作者の何らか
の個性が現れていれば,創作性が認められるべきである。そして,短い表現である
からといって,選択の幅が狭いということはない。広告宣伝に用いられるキャッチ
フレーズについて,コピーライターという特別の専門職業が存在することからも分
かるように,様々な表現があり得る中で,広告として印象的でかつ記憶に残りやす
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いものとなるように,工夫をこらす余地が十分にあるのであって,短い表現である
からといって「誰が創作したとしても同じようなものにならざるを得ない」という
こともない。短い表現について創作性を肯定した場合,結果として,著作物として
保護される範囲は非常に狭いものになり,いわゆるデッドコピー又はそれに近い範
囲でしか保護されないこともあり得るが,保護範囲が狭いからといって創作性を否
定する理由にはならない。また,著作権はあくまでも相対的排他権にとどまるから,
依拠しない限り,第三者が類似の表現を新たに創作する自由は保障されており,著
作物性の有無は侵害の有無に直結しない。
控訴人キャッチフレーズ2は,「ユーザーが英語を自然かつ流暢に話すことができ
るようになる」という控訴人商品による英会話学習の効果を強調・アピールするた
めに創作されたキャッチフレーズであり,それを見聞きした一般の消費者に強い印
象を与え,記憶に残りやすくするために,「あるひとつぜん」(7字),「えいごがく
ちから」(8字。字余り),「とびだした」(5字)と五七調を用いて,口に出しやす
く語呂のよい,俳句に近い表現となるように工夫されている。また,「ユーザーが英
語を自然かつ流暢に話すことができるように

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。