商標権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和2(ネ)10060
判決日2021-04-21
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法4条1項1号、商標法4条1項4号、商標法36条1項、商標法36条2項、商標法70条1項
当事者控訴人 TRAVELPLUSINTERNATIONAL株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
本件における争点及びこれに関する当事者の主張は,後記4のとおり当審に
おける補充主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」第2の2(原判決
3頁8行目から6頁12行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用す
る。
4 当審における補充主張
⑴ 控訴人の主張
ア 十字部分の色彩等に基づく類否の主張
(ア) 標章において色彩が類否に大きく影響すること
例えば,国旗において色彩が重要な要素であるように,標章は,同一
の文字や図形の結合等であっても,色彩の相違によって印象が異なる。
また,商標法70条1項は,色彩を登録商標と同一にすれば登録商標と
同一の商標となる場合であっても登録商標に類似しない商標があること
を前提としており,色彩以外が同一であり色彩だけが異なっている商標
が非類似になることを示している。そのため,商標の類否判断に色彩が
大きく影響する。
(イ) 十字部分を有する標章は特に十字部分の色彩が類否に大きく影響
すること
商標法4条1項4号は,赤十字の標章と同一又は類似の商標について
商標登録を受けることができないと定めており,赤十字の標章及び名称
等の使用の制限に関する法律1条は,白地に赤十字の標章若しくは赤十
字の名称又はこれらに類似する記章若しくは名称をみだりに用いること
を禁じている。さらに,緑と白で構成された十字の標章は,安全標識と
して定められ,白地に緑色の十字が安全指導標識,緑地に白色の十字が
衛生指導標識とされている。このようなことから,十字部分を有する標
章においては特に十字部分の色彩が類否に大きく影響する。
(ウ) 被控訴人商標と控訴人標章1,3の類否
被控訴人商標と控訴人標章1,3はいずれも十字部分を有しているが,
被控訴人商標の十字部分が白色であるのに対し,控訴人標章1の十字部
分は銀色であり,控訴人標章3の十字部分は黒色であるから,これらは
外観が異なる。被控訴人商標は「シロジュウジ」を含む称呼,白十字を
含む観念を生ずる。他方,控訴人標章1は「ギンジュウジ」を含む称呼,
銀十字を含む観念を生じ,控訴人標章3は「クロジュウジ」を含む称呼,
黒十字を含む観念を生ずる。白十字からはスイス国旗が連想されるが,
銀十字や黒十字からは連想されない。そうすると,被控訴人商標と控訴
人標章1,3は,外観,称呼,観念が異なり,類似しない。
イ 十字以外の部分等に基づく類否の主張
商標法4条1項1号が,国旗と同一又は類似の商標は商標登録を受ける
ことができないと定めていることからすると,被控訴人商標が登録されて
いるのは,スイス国旗と類似していないからであり,そうであるとすると,
被控訴人商標のうち,スイス国旗と似ている十字部分は要部ではなく,円
弧からなるループ状図形が要部である。
被控訴人商標の円弧か

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。