事件の基本情報
| 裁判所 | 最高裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(あ)457 |
| 判決日 | 2022-01-20 |
| 分類 | 最高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法168条、憲法21条1項 |
この事件の代理人
- 平野敬(被告代理人)/第二東京弁護士会
争点(判決文より)
争点は,本件プログラ ムコードが,刑法168条の2第1項(以下「本件規定」という。)にいう「人が 電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に 反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」に当たるか否かである (以下,「その意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる べき」という要件を「反意図性」といい,「不正な」という要件を「不正性」とい う。)。 2 第1審判決及び原判決の認定並びに記録によると,本件の事実関係は,以下 のとおりである。 被告人は,平成29年9月当時,音声合成ソフトウェアを用いて作られた楽曲の 情報を共有するウェブサイト「X」を運営していた。 コインハイブは,平成29年9月,コインハイブチームにより提供が開始された ウェブサービスである。その内容は,登録したウェブサイトの運営者(以下「登録 者」という。)に対し,ウェブサイト閲覧者が閲覧中に使用する電子計算機の中央 - 2 - 処理装置に同閲覧者の同意を得ることなく仮想通貨Monero(モネロ)の取引 台帳へ取引履歴を追記する承認作業等の演算を行わせ,その演算が成功すると,報 酬として仮想通貨の取得が可能になるというマイニングを実行するプログラムコー ド(以下「本体プログラム」という。)を取得するためのプログラムコードを提供 し,報酬の7割を登録者に分配し,3割をコインハイブチーム側が取得するという ものであり,登録者が,提供された前記プログラムコードをウェブサイト内に設置 すると,閲覧者の電子計算機によりマイニングが実行され,登録者が報酬の分配を 得ることができるというものであった。 コインハイブによるマイニングの仕組みは,前記プログラムコードが設置された ウェブサイトを閲覧すると,同プログラムコードの指令により閲覧者の電子計算機 が自動的に本体プログラムが蔵置されたサーバコンピュータに接続され,本体プロ グラムが読み込まれてマイニングを指令され,その指令により閲覧者の電子計算機 の中央処理装置が演算を行い,演算結果が同サーバコンピュータに送信されるとい うものであり,閲覧を終了するとマイニングも終了するというものであった。 被告人は,X閲覧を通じて利益を得るため,平成29年9月21日,コインハイ ブに登録し,提供されたプログラムコードに,被告人に割り当てられたサイトキー を記述したもの(本件プログラムコード)を,サーバコンピュータ上のX内に設置 し,本件公訴事実の期間中,Xを構成するファイル内に蔵置して保管した。本件当 時,一般の使用者に,ウェブサイトの収益方法として閲覧者の電子計算機にマイニ ングを行わせるという仕組みは認知されていなかったが,被告人は,Xに,閲覧中 にマイニングが行われることについて同意を得る仕様を設けたり,マ
主文(判決文より)
原判決を破棄する。 本件控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。