著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成21(ネ)10078
判決日2010-09-08
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文会社法429条1項、民法1条2項
当事者控訴人 ジャストオンライン株式会社

この事件の代理人

  • 田中 豊(被控訴人代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

争点(1)(侵害行為の主体(主位的主張))について
〔控訴人らの主張〕
ア 被控訴人の権利行使に関する制約
被控訴人は,我が国の音楽著作物の約99%を管理する圧倒的支配力及び交渉力
を有するほか,著作権等管理事業法の適用を受けるなど,公的団体ともいえるから,
その権利行使には,平等な取扱いという制約が法律上当然に予定されている。
被控訴人は,本件サービスと同様のサービス(You Tube 等)を提供している事
業者に対しては,適法な事業と認めて許諾契約を締結しながら,控訴人会社に対し
ては,明らかに不当な条件を提示し,契約を拒んだ。
被控訴人のこのような不当な行為を前提とすると,被控訴人の本訴請求は,著作
権等管理事業法16条又は民法1条2項に反し,許されない。
イ 動画投稿サービスの意義及び役割
本件サービスは,ユーザから投稿される映像を他のユーザ等に視聴させるいわゆ
る動画投稿サービスであり,著名な同種サービスが存在する。かかるサービスは,
視聴できる動画の多様性から視聴者の大きな支持を受けており,表現者に対しても
より多くの表現の場を提供する点で,表現の自由及び著作権の目的である文化の発
展に資するものである。
確かに,投稿される動画の中には,既存メディアに流通している映像や当該映像
を利用した映像も多く含まれていることから,著作権侵害の可能性は高い。
しかしながら,通常の著作権者は,動画投稿サービスにおいて違法なファイルを
発見しても,被控訴人のように,「教条的」な権利行使をしないものであり,実際,
本件サービスに対し,著作権者から削除要求がされたのは,40件程度にすぎない。
企業の中には,動画投稿サービスにおけるプロモーション的価値を利用しようとす
る動きすら生まれている。
このように,本件サービスを含め,動画投稿サービスは社会内に受容されており,
被控訴人も,事業者と包括許諾契約を締結するなどしている。原判決は,動画投稿
サービスの有する当該特色や,社会内に受容されている現実を無視した不当な判決
というべきである。
ウ 侵害行為の主体の判断について
(ア) 侵害行為の主体の把握について

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。