不正競争行為差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70654
判決日2024-07-08
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
当事者原告 株式会社北隆館

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
⑴ 「商品等表示」該当性
(原告の主張)
本件題号は、原告の出版物であるという出所識別機能を有するに至ってい
る。すなわち、原告は、昭和15年に「牧野日本植物圖鑑(初版)」を出版
して以来、現在に至るまで「牧野日本植物圖鑑」の出版を継続していたから、
特に本件図鑑の需要者である植物学の専門家・研究者の間には「牧野日本植
物圖鑑=牧野富太郎=北隆館」という認識が浸透している。
また、原告は、本件題号について過去に商標登録もしており、このことは
本件題号に出所識別機能があると判断されたことに他ならない。
したがって、本件題号は、原告の「商品等表示」に当たる。
(被告の主張)
本件題号は、書籍の題号であり、その本の内容を表示するにすぎないから、
このような題号が出版社名と結びついて需要者に認識されることはない。し
たがって、本件題号は、原告の「商品等表示」には該当しない。
なお、本件図鑑の中には、題号に「新」という文字や「卓上版」などとい
う表示が付加された書籍が含まれているし、「牧野日本植物圖鑑」の出版が
現在まで継続しているという事実は、否認する。
⑵ 周知著名性の有無
(原告の主張)
原告は、本件図鑑が学術書であるにもかかわらず、80年以上の長きにわ
たり廃刊することなく累計50万部以上も販売し続けてきた。被告書籍及び
本件図鑑の主な需要者は、植物学の専門家・研究者であるところ、これらの
需要者にとって、本件題号が原告の「商品等表示」として周知性、著名性を
有することは、明らかである。
(被告の主張)
原告は、本件題号が付された書籍について需要者に広く認知されるような
営業努力を行っておらず、これらの書籍がどの程度売れたかも不明である。
したがって、本件題号が原告の「商品等表示」として周知性を有するとはい
えないし、これを超えて著名性を有するともいえない。
⑶ 混同の有無
(原告の主張)
被告書籍は、本件図鑑と全く同一の内容であり、被告書籍及び本件図鑑の
主な需要者である植物学の専門家・研究者は、被告書籍が原告の出版する書
籍であると誤認混同するおそれがある。
なお、本件図鑑の著者である牧野富太郎に係る施設である高知県立牧野植
物園や練馬区立牧野記念庭園のウェブサイトにおいても、本件図鑑が原告の
出版物であることが周知されているから、植物学の専門家等ではない一般人
においても、被告書籍と本件図鑑とを誤認混同するおそれが生じている。
(被告の主張)
否認ないし争う。牧野富太郎は令和5年にNHKの連続テレビ小説で同人
をモデルとしたドラマが放送されたことにより、一般の視聴者にも広く知ら
れるようになったほか、被告書籍には「オリジナル普及版」の表示が付され
ていることからすれば、広く一般人が被告書籍の需要者である。そして、そ
の需

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。