事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)70039 |
| 判決日 | 2024-06-03 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | プロバイダ責任制限法2条3号、プロバイダ責任制限法5条1項、著作権法2条1項9号 |
| 当事者 | 原告 有限会社プレステージ/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
本件の争点は、「権利の侵害に係る発信者情報」該当性、「特定電気通信」該 当性及び調査の信用性であり、これらの点に関する当事者の主張は、以下のとお りである。 1 争点1(「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)について (原告の主張) ⑴ 本件調査において、本件ソフトウェアがトラッカーサーバーに接続し、本 件動画に係るファイルの提供者のリストを要求したところ、トラッカーサー バーから別紙発信者情報目録記載のIPアドレス等が記載されたリストが 返信された。本件ソフトウェアが当該リストに記載された各ユーザーに接続 をすると、各ユーザーが応答することを確認するHandshakeの通信 が行われ、その後各ユーザーから当該ファイルがダウンロード可能であるこ とを通知するUNCHOKEの通信に移行する。別紙動画目録記載の日時は、 このUNCHOKEの通信時のものである。 ⑵ ビットトレントにおいては、ビットトレントを通じて動画に係るデータを ビットトレントソフトのダウンロードされたパソコンサーバーの共有フォ ルダに保存すること(著作権法2条1項9号の5イ)、あるいは、動画に係 るデータを共有フォルダ内に蔵置したままトラッカーサーバーに接続した こと(同号の5ロ)により、送信可能化権侵害状態が生じるといえる。本件 発信者は、本件動画に係るデータをダウンロードした後、継続してアップロ ード状態に置くことで、継続して本件著作物の送信可能化権侵害を行い続け ているのであり、UNCHOKE時も送信可能化権侵害がされていたと推認 できる。 ⑶ プロバイダ責任制限法は、発信者の有するプライバシー権や表現の自由と、 侵害されたものの権利回復の利益を比較考量し、拡大解釈して運用してきた 結果認められてきた定型的なものを改正法において侵害関連通信として明 文化するに至った。そうだとすれば、改正法は例示列挙であり、本件のよう に必要性が認められるものは拡大解釈により認められるべきである。 ⑷ したがって、UNCHOKE時の通信に係る別紙発信者情報目録記載の各 情報は、「権利の侵害に係る発信者情報」に該当する。 (被告の主張) ⑴ 原告は、別紙動画目録記載の発信時刻がUNCHOKEの時点であること を前提に、送信可能化権侵害を主張する。しかしながら、UNCHOKEと は、あるピアが、自身の保有しているファイルをアップロード可能であるこ とを通知する通信にすぎず、公衆送信用記録媒体に情報を記録したり、自動 公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線に接続したり する行為に該当しないから、著作権法2条1項9号の5のイ又はロのいずれ にも該当しない。 そうすると、UNCHOKEによって本件動画が送信可能化されたという ことはできず、本件各発信者に係る情報が、プロバイダ責任制限法5条1項
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。