発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70467
判決日2024-03-22
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法29条1項
当事者原告 株式会社h.m.p/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 五島丈裕(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
⑴ 原告が本件動画の著作権者であるか(争点1)
(原告の主張)
本件動画は映画の著作物であるところ、原告の従業員らが、原告の発意に基
づき、監督、編集等を担当して作成されたものであり、本件著作物の全体的な
製作に関する決定は、原告の代表者や従業員により行われているから、著作権
法29条1項により、原告に著作権が帰属する。
(被告の主張)
否認ないし争う。
⑵ 本件通信は本件調査会社が本件動画の複製ファイルをダウンロードした際の
通信であるといえるか(争点2)
(原告の主張)
μTorrentでは、データの取得元のIPアドレスを表示させる仕組み
を有しているところ、本件ソフトウェアはビットトレントを管理する会社が提
供したものであり、ビットトレントを通じて取得した情報を正確に利用者に提
供している。また、機械のメカニズムとして取得した内容が不正確である場合
や曖昧である場合、ソフトウェア等は止まる。
そして、本件調査の際のキャプチャー画像は、上部が本件調査会社の端末の
状況を、下部が本件発信者の端末の状況をそれぞれ示しているが、上部が「ダ
ウンロード中」の表示をしている場合、本件調査会社は本件発信者から現にフ
ァイルのダウンロードをしていることを示す。また、本件調査会社は、ダウン
ロードしたファイルのデータが本件動画のデータと同一であることを確認して
いる。
したがって、本件調査結果は信用でき、その本件調査結果によれば、本件調
査会社は、本件発信者が違法にアップロードした本件動画の複製ファイルを取
得していることは明らかであり、本件通信は本件調査会社が本件動画の複製フ
ァイルをダウンロードした際の通信であるといえる。
(被告の主張)
本件ソフトウェアは、一般社団法人テレコムサービス協会が認定する監視ソ
フトウェアではなく、ピアツーピアネットワークの監視を目的としたシステム
によるものでもない。そして、原告が提出したキャプチャー画像は、本件ソフ
トウェアのプログラムの実行における動作の過程で表示されるIPアドレスの
正確性やこれが割り当てられている通信の意味を立証するまでのものではなく、
本件通信の存在やその意味については何ら立証されていない。
加えて、本件キャプチャー画像の内容をみても「下り速度」の表示がない。
また、ビットトレントネットワークを利用した通信はトラッカーサーバーを
介してネットワークの形成やファイルの送受信をする過程で様々な通信をして
おり、原告が適当な時刻にキャプチャーした画面で表示されたIPアドレスを
摘示してその組合せにより主張する本件通信が、本件動画をダウンロードした
際の通信であるということはできない。
したがって、本件通信は本件調査会社が本件動画の複製ファイルをダウンロ
ードした際の通信であるとはい

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。