発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70015
判決日2024-01-23
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項9号
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 新英樹(原告代理人)/東京弁護士会
  • 金子和弘(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 2)
(3) 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無(争点 3)
(4) 本件発信者情報の保有の有無(争点 4)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
〔原告の主張〕
本件調査においてアンチョークがされたということは、本件発信者が、遅くとも
別紙発信者情報目録記載の発信時刻までに、本件著作物に係るファイルの全部又は
一部を取得して自身の端末に保存し、かつ、これと同時に、ビットトレントのネッ
トワークを介し他のピアからの要求に応じて当該ファイルの送信(アップロード)
をできる状態にしていたことを示す。
そうすると、本件発信者は、本件著作物に係るファイルをダウンロードした上、
「公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置」である
トラッカーサーバに、自らが所持する本件著作物に係るファイル情報、IP アドレス
等を通知して「情報を記録」し(著作権法 2 条 1 項 9 号の 5 イ)、又は、トラッカ
ーサーバと一体的に「その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公
衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置」となる自身の端末を「公衆
の用に供されている電気通信回線への接続」をさせて(同ロ)、自動公衆送信し得る
ようにしたものである。
したがって、本件発信者が原告の本件著作物に係る送信可能化権を侵害したこと
は明らかである。
〔被告の主張〕
本件調査によっても、本件発信者のファイル保持率は明らかではない。また、本
件検出システムは、実際に本件発信者から本件著作物に係るファイルをダウンロー
ドしていない。そうである以上、本件著作物に係る送信可能化権が現実に侵害され
たことが「明らかである」とはいえない。
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 2)
〔原告の主張〕
本件調査におけるアンチョークの通信は、不特定の者によって受信されることを
目的とする電気通信の送信であるから、「特定電気通信」である。
前記((1)〔原告の主張〕)のとおり、本件発信者は、本件著作物に係るファイルを
ビットトレントを通じてダウンロードしているが、ビットトレントの性質上、ダウ
ンロードされサーバに保存されたファイルは、いつでもビットトレントを通じてア
ップロードされ得る状態にある。そうすると、本件発信者は、本件著作物に係るフ
ァイルを送信可能な状態に置き続け、送信可能化権を継続犯的に侵害し続けている。
著作権法は、送信可能化権侵害の類型として、ネットワークに接続したサーバに記
録した行為の類型(2 条 1 項 9 号の 5 イ)だけでなく、その記録されたサーバをイ
ンターネッ

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。