商標権侵害行為差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)11398
判決日2023-06-21
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法37条、商標法38条1項1号、民法709条
当事者原告 株式会社ピィアイシィ・バイオ/被告 株式会社関東農産

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
被告各標章は本件商標に類似しているか(争点1)
被告各標章は商標として使用されていないか(争点2)
損害の発生及びその額(争点3)
被告は先使用により被告各標章を使用する権利を有しているか(争点4)
商標権行使の権利濫用の成否(争点5)
4 争点に対する当事者の主張
被告各標章は本件商標に類似しているか(争点1)
(原告の主張)
本件商標と被告各標章は、書体等において若干異なる点はあるものの、共に
「地力の素」という文字からなるから、外観において類似する。
呼称はいずれも「チリョクノモト」で一致する。
そして「地力の素」という文言は造語であり、異なる観念が生じるというこ
ともない。
よって、本件商標と被告各標章は類似する。
(被告の主張)
商標の類否は、誤認混同を生じる恐れがあるか否かによって判断されるべき
ところ、原告が本件商標を付して販売している商品と被告商品は誤認混同され
るおそれはないから類似しない。
被告各標章は商標として使用されていないか(争点2)
(被告の主張)
ア 広辞苑によれば、「地力」とは、「土地が作物を育てる能力。土地の生産力」
と説明されており、「素」とは、「物を作る原料。素材」との説明がされてい
ることから、「地力の素」とは、「土地が作物を育てる能力の素材となるもの」
と一般的に理解される。一般人が「地力」と「素」のそれぞれの言葉の意味
を考えれば「地力の素」という言葉が作物を育成するのに適した土地にする
ためのもの(肥料又は土壌改良剤)であることは容易に理解でき、これを付
された商品の効能の表示として認識することについて特別の支障はない。
被告商品には「プロボカシ」という名称が付されており、被告商品が有機
肥料であることと「地力の素」という標章の観念の結び付きは強く、被告各
標章に接した一般需要者は、「地力の素」という標章を「プロボカシ」という
商品の効能を示すものと認識する。
イ 被告商品を表す名称である「プロボカシ」という標章は、本件包装の表側
に、緑色の背景の下、最も大きなベイジュ色のゴシック文字で記載されてお
り、被告商品の名称を示すものと容易に分かる位置に表示されている。被告
各標章は、本件包装の表側の「プロボカシ」との記載のすぐ上、又は両側面
の「プロボカシ」との記載のすぐ左に記載されており、その文字も「プロボ
カシ」より小さい文字で記載されていることからすると、一般需要者は、被
告各標章を独立した表示であると認識することはない。また、本件包装の下
部には、被告の商号である「株式会社関東農産」との文字が目立つように表
示されている。
ウ 被告は、原告から令和3年2月8日付けで本件に関する通知を受け取るま
で、約13年間にわたって、被告各標章が本件商標と同じであるとの指摘を
受けることはなく、本件商標を使用している

主文(判決文より)

1 被告は,別紙被告標章目録記載の各標章を,肥料の包装に付し,又は同標章を
包装に付した肥料を販売し,若しくは販売のために展示してはならない。
2 被告は,別紙被告商品包装目録記載の包装袋を廃棄せよ。
3 被告は、原告に対し、680万2375円及びうち668万7598円に対す
る令和4年8月1日から支払済みまで、うち11万4777円に対する同年12
月1日から支払済みまでそれぞれ年3分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用は、これを10分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担
とする。
6 この判決は、第3項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。