発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)19087
判決日2023-05-15
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条3号
当事者原告 株式会社グルーヴ・ラボ/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 五島丈裕(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、本件調査の信用性及び特定電気通信該当性であり、この点に関
する当事者の主張は、以下のとおりである。
(原告の主張)
1 本件調査会社は、BitTorrentを利用した違法ダウンロード及びアッ
プロードの特定に際しては、μtorrentというクライアントソフトを利用
しているが、同ソフトは、BitTorrentを利用しやすくするために開発
されたソフトウェアであり、BitTorrentを利用して特定のファイルの
ダウンロードを行っているピアのIPアドレスを機械的に取得して表示するも
のであるから、そこに恣意が入る余地はない。
そして、本件調査会社は、本件調査において、μtorrentを利用して、
本件発信者らが、別紙発信者情報目録記載の日時頃、同目録記載のIPアドレス
の割当てを受けて、BitTorrentのネットワークに参加し、本件ファイ
ルのダウンロード及びアップロードを行っていることを確認している。
2 以上によれば、本件発信者らが、別紙発信者情報目録記載の日時頃、被告の提
供するインターネット接続サービスを利用し、同目録記載のIPアドレスの割当
てを受けてインターネットに接続し、BitTorrentを用いて、本件ファ
イルを、不特定多数の他のBitTorrentの利用者からの求めに応じて自
動的に送信し得る状態にしたことが認められる。
そして、本件発信者らの上記行為につき、違法性阻却事由の存在をうかがわせ
る事情は認められないから、本件動画に係る原告の送信可能化権が侵害されたこ
とは明白であるといえる。
(被告の主張)
1 原告は、本件調査に関し、送信に係るスクリーンショット(甲1)のほか、本
件調査会社による説明(甲6)を証拠提出するのみであって、本件調査の信用性
を客観的に証明する証拠を提出していない。
また、本件調査(甲1)において、「下り速度」や「上り速度」が示されてい
るものはほとんどないから、ダウンロード及びアップロードに関し、本件調査が
正確ではないことがうかがわれる。
さらに、本件発信者らが送信したとされる時刻は、秒単位で特定されておらず、
当該時刻が正確なものではない可能性がある。
2 BitTorrentの仕組みによれば、トラッカーサーバーを介して検知し
た本件発信者らの各送信は、トラッカーサーバーとの1対1の通信であり、不特
定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信とはいえないから、
「特定電気通信」に該当しない。

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。