特許権移転登録抹消登録請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)8940
判決日2023-04-12
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文会社法362条4項1号、民法93条
当事者原告 日本有機物リサイクルプラント株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) Cにより本件特許権譲渡の意思表示がされたか(争点1)
(2) 被告が、原告の取締役会決議がないことを知り、又は知ることができたか
(争点2)
3 当事者の主張
(1) 争点1(Cにより本件特許権譲渡の意思表示がされたか)について
(被告の主張)
令和2年10月5日頃、Cから本件特許権の譲渡の申入れがあり、被告代
表者であるD(以下「D」という。)は、弁理士に対し、本件特許権の譲受け
に必要な書類を作成するよう依頼した。
同弁理士は、本件特許権の移転登録申請につき、申請書に譲渡証書を添付
して登録権利者が単独申請する方法を提案したため、この方式を採用するこ
とになったものである。
そして、同弁理士が本件譲渡証書の原案を作成し、同月8日、被告の事務
担当者がCの自宅に同原案を持参し、Cがこれに押印したものである。
以上のとおり、本件譲渡証書にはCの署名はないが、Cの記名の横の印影
は原告の代表者印によって顕出されたものである。仮に、原告が主張すると
おり、本件譲渡証書の印影が原告の設立当初から使用されていた原告の実印
により顕出されたものではないとしても、本件譲渡証書は、Cがその意思に
基づいて作成したのであるから、真正に成立したといえる。
また、本件譲渡証書のCの記名の誤字は単なる誤記であり、本件譲渡証書
にCの意思に基づく押印がされている以上は、本件特許権の譲渡の意思表示
の有無や効力に影響を与えるものではない。
したがって、本件譲渡証書は真正に成立したものであり、Cによる本件特
許権の譲渡の意思表示があったといえる。
(原告の主張)
本件譲渡証書は、真正に成立した文書ではなく、第三者により偽造された
文書である。
真実原告が被告に本件特許権を譲渡した事実があれば、原告と被告との間
には本件特許権の譲渡契約書が存在するはずであるが、譲渡契約書は存在せ
ず、本件譲渡証書のみが存在することは不自然である。
また、本件譲渡証書の「譲渡人」欄には「C’」と記載されており、C自身
の名に誤記がある(正しくは「C」)ことからすると、Cが自ら本件譲渡証書
に押印したものであるとは考え難い。
さらに、本件譲渡証書の原告代表取締役名下の印影は、原告の設立当初か
ら使用されていた原告の実印によるものではない。原告においては、設立当
初から、原告の社名が記載された丸印(甲第6号証の印鑑証明書に印影が顕
出されている丸印。以下「改印前原告代表者印」という。)が使用され、原告
の実印として登録されていたものであり、Aがこれを保管している。
したがって、本件譲渡証書は第三者により偽造されたものであり、本件譲
渡証書の存在をもって、Cが本件特許権を被告に譲渡するとの意思表示をし
たとはいえない。
(2) 争点2(被告が、原告の取締役会決議がないことを知り、又は知ることが
で

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙特許権目録記載の特許権について、令和2年1
0月9日特許庁受付第06492号特許権移転登録の抹消登録手続をせよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。