商標権に基づく差止請求権不存在確認請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)18610
判決日2023-03-27
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
当事者原告 オンキヨーホームエンターテイメント株式会社/被告 パイオニア株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
原告が本件在庫商品を販売することについて実質的違法性が欠如するか
4 争点に関する当事者の主張
(原告の主張)
(1) 最高裁平成14年(受)第1100号同15年2月27日第一小法廷判決・
民集57巻2号125頁(以下「平成15年最判」という。)は、いわゆる
並行輸入の事案において、外形的に商標権侵害に該当する行為であったとし
ても、① 当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を
受けた者により適法に付されたものであり、② 当該外国における商標権者と
我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と
同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同
一の出所を表示するものであって、③ 我が国の商標権者が直接的に又は間接
的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国
の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質におい
て実質的に差異がないと評価される場合には、商標の機能(出所表示機能及
び品質保証機能)を害するものではなく、商標権侵害としての実質的違法性
を欠くとした。
そして、上記①の要件は、当該商標を付された商品が適法に流通に置かれ
たことまでは要件としていないから、商標が商標権者から使用許諾を受けた
者により適法に付されていれば、当該商品は商標法上の真正品であるという
べきである。このような理解は、知財高裁令和2年(ネ)第10062号同3
年5月19日判決、東京地裁平成30年(ワ)第35053号令和2年10月
22日判決及び大阪高裁平成29年(ネ)第245号同年9月21日判決にお
いても示されている。
本件は、並行輸入の事案とは異なるが、国内における真正品の転々流通と
実質的違法性阻却という点において、平成15年最判の射程が及ぶというべ
きである。
(2) 本件在庫商品は、商標権者である被告から使用許諾を受けた破産会社が本
件商標を適法に付したものであるから、商標法上の真正品である。
実質的に見ても、本件商標は、世界的に周知されている被告の商標であり、
破産会社が、被告から中国を除く全世界でこれを使用する許諾を得て、本件
使用許諾契約の有効期間中に適法に付したものであるから、世界的に同一の
出所を示すものであり、本件商標の出所表示機能が害されることはない。
また、破産会社は、本件使用許諾契約の有効期間中に、同契約の定めに従
って、本件商標を付した本件在庫商品を製造したものである。本件在庫商品
の販売自体は本件使用許諾契約終了後であったとしても、サンプル品や不良
品、廃棄予定品として流通に置くことは想定されていないから、本件商標の
品質保証機能が害されることはない。
(3) したがって、本件商標を付した本件在庫商品を販売する行為は実質的違法
性が欠如す

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。