発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)27417
判決日2022-10-04
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法29条1項
当事者原告 株式会社WILL/被告 ビッグローブ株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 髙橋利昌(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

争点(権利侵害の明白性)について
(1) 証拠(甲 3、4)及び弁論の全趣旨によれば、ビットトレントとは、インタ
ーネットを通じ、P2P 方式でファイルを共有する通信プロトコル又はこれを
実行可能なソフトウェアであり、ビットトレントにより形成されるネットワ
ークは、特定のファイルをダウンロードしようとするユーザーが、トラッカ
ーサイトと呼ばれるウェブサイトに接続してトレントファイルをダウンロ
ードし、これをビットトレントに読み込ませると、当該ユーザーの端末がピ
アとして同ネットワーク上に登録され、ダウンロードしたい特定のファイル
を有する別のピアから当該ファイルをダウンロードするとともに、別のピア
から要求があれば自己の端末から特定のファイルを送信する仕組みのもの
であること、このようなシステムの特性上、トラッカーサーバーは、自身に
アクセスしている提供者の情報を把握することができることが認められる。
また、前提事実(前記第 2 の 1(3))のとおり、原告は、本件調査において、
本件ソフトウェアを使用して、遅くとも別紙動画目録(1)及び(2)記載の各発信
時刻までに、本件各 IP アドレスを割り当てられた氏名不詳者らが、ビットト
レント上で、本件各著作物の複製物である電子データ(本件侵害動画)をア
ップロードし、不特定のビットトレント利用者の求めに応じて、インターネ
ット回線を通じて同電子データを自動的に送信し得る状態に置いたことを確
15 認したものであるが、本件調査を実施した会社が別途実施した検出 IP アドレ
スの同一性確認試験(甲 10、11)において、本件ソフトウェアが検知する IP
アドレスが正確であることが確認されたことが認められる。
このほか、被告から発信者情報の開示についての意見を求められた者の中
には開示に同意した者がおり、代理人を通じて示談交渉を予定している者も
20 いること(弁論の全趣旨)などを併せ考慮すると、本件各 IP アドレスを割り
当てられた氏名不詳者らが、本件各著作物の複製物である電子データ(本件
侵害動画)を自己の端末にダウンロードして記録させた上、これを所有する
ピアとして自己の端末を登録し、不特定多数の別のピアから要求があれば、
被告の提供するインターネット接続サービスを通じ、当該端末から当該電子
データを自動で送信し得るようにしていたことが認められる。こうした行為
は、本件各著作物に係る複製権及び送信可能化権を侵害するものといえる。

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。