発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)17149
判決日2021-09-30
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項、著作権法96条、著作権法102条
当事者原告 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 原告の送信可能化権が侵害されたことが明らかであるか(争点1)
(2) 被告は開示関係役務提供者に該当するか(争点2)
(3) 本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか(争点3)
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(原告の送信可能化権が侵害されたことが明らかであるか)及び争
点2(被告は開示関係役務提供者に該当するか)について
(原告の主張)
氏名不詳者は,別紙発信者情報目録記載の日時頃,被告のインターネット
接続サービスを利用し,同目録記載のインターネットプロトコルアドレスの
割当てを受けてインターネットに接続し,ファイル交換ソフトウェアである
BitTorrentを用いて,本件レコードを複製したファイルを,不特
定多数の他のBitTorrentの利用者からの求めに応じて自動的に送
信し得る状態にした。
上記の送信可能化行為について,著作隣接権の権利制限事由(著作権法1
02条。同条1項が準用する同法30条以下を含む。)は存在しないため,
上記の行為を行った氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)によって,
原告が本件レコードに対して有する送信可能化権が侵害されたことが明らか
であり(法4条1項1号),当該送信可能化権侵害との関係において,被告
は開示関係役務提供者に,本件発信者情報は権利侵害に係る発信者情報にそ
れぞれ該当する(同条1項柱書)。
(被告の主張)
原告の主張に係る事実はいずれも不知。
本件発信者の行為によって原告が本件レコードに対して有する送信可能化
権が侵害されたことが明らかであるとの主張及び被告が開示関係役務提供者
に当たるとの主張はいずれも争う。
(2) 争点3(本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか)につい
て
(原告の主張)
原告は,本件レコードについての送信可能化権侵害に基づき,本件発信者
に対して損害賠償請求及び差止請求を行う必要があるから,本件発信者情報
の開示を受けるべき正当な理由がある(法4条1項2号)。
被告は,電子メールアドレスの開示を受けるべき正当な理由があるとはい
えないと主張するが,被告が保有する本件発信者情報の住所等は正確ではな
い可能性があり,そのような場合には,電子メールアドレスまで開示されな
いと本件発信者に対する損害賠償請求等に支障があるから,被告の上記主張
には理由がない。
(被告の主張)
原告の主張に係る事実はいずれも不知。
本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとの主張は争う。
なお,損害賠償請求等を行うには,氏名及び住所の情報があれば十分であ
り,電子メールアドレスは損害賠償請求等に必要とはいえないから,電子メ
ールアドレスの開示を受けるべき正当な理由があるとはいえない。

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。