事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)35218 |
| 判決日 | 2020-10-29 |
| 分類 | 知的財産 / 不正競争 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 不正競争防止法2条1項21号 |
| 当事者 | 原告 株式会社ソケッツ/被告 株式会社シンクパワー |
この事件の代理人
争点(判決文より)
本件の争点は,本件各発言が「虚偽の事実」(不正競争防止法2条1項21 号)の流布に当たるか否かであり,これに対する当事者の主張は,次のとおり である。 【原告の主張】 本件各記事の読者層は,音楽業界の関係者で,レコチョクと被告との間の 紛争に関心のある者であるが,そのような読者の中には,同期歌詞データを 自動的に生成する本件システムの作成が技術的に可能であるという予備知識 を持っていない者が多数いることが想定される。 このような読者を基準に本件記事1を読めば,本件発言1において,被告 代表者は「そこには,既に1分で自動的に生成できる仕組みが完成した,と 書かれています」と述べた上,「しかし,問題は,その完成度なのです」と 指摘し,「つまり,手法の理屈を提示しているだけであ」ると結論付けてい るから,本件発言1は,原告が本件システムを完成させていないという事実 を摘示していると理解される。 また,同様に本件記事2を読めば,本件発言2において,被告代表者は 「『ビジネスでの使用に耐える自動歌詞生成システムが完成した』というた めに重要なのは,その精度です」と述べて,本件システムが完成したといえ る条件を示した上,「1曲,2曲のデモを行ってみても,意味がないという ことです」と結論付けているから,本件発言2は,原告が本件システムを完 成させていないという事実に直接言及していないものの,間接的に上記事実 を摘示していると理解される。 しかるに,原告は,平成29年には,商業利用可能な水準に達する程度に 本件システムを完成させていた。原告が同期歌詞データの販売を低価格で行 - 4 - い,既に11万作品分の同期歌詞データを販売していることは,原告が本件 システムを完成させていることの証左である。 したがって,本件各発言は「虚偽の事実」を流布するものである。 なお,被告は,本件各発言は意見ないし論評の表明にすぎない旨主張する が,本件システムの完成とは,本件システムが同期歌詞データ提供事業を遂 行できる水準に達していることを意味するのであって,客観的な証拠によっ て認定することができる事実であるから,意見や論評には当たらないという べきである。 【被告の主張】 本件各発言は,次のとおり,「虚偽の事実」を流布するものとはいえない。 本件各記事の読者層は,音楽業界の関係者で,レコチョクと被告との間の 紛争に関心のある者であるが,そのような読者を基準に本件各記事を読めば, 本件記事1については,被告代表者において,レコチョクが被告作成の同期 歌詞データを流用している客観的な証拠があること,レコチョクは別件事件 の仮処分命令申立書において同期歌詞データを自動的に生成するアイデアを 提示したにすぎず,ビジネスにおいて使用するためには自動生成の精度が重 要であることを指摘したものであ
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。