損害賠償等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(ワ)6943
判決日2018-12-26
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法112条1項
当事者被告 株式会社エンタシス

この事件の代理人

  • 高下謹壱(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件マニュアルの著作物性の有無(争点1)
⑵ 本件マニュアルの職務著作性の有無(争点2)
⑶ 許諾の有無(争点3)
⑷ 損害の発生の有無及び額(争点4)
4 争点に対する当事者の主張
⑴ 争点1(本件マニュアルの著作物性の有無)について
【原告の主張】
本件コメントは,ソフトウェアのコンピュータ用語を用いて,本件システムの機能
を説明したものであり,短いものもあるが,3行から5行にわたるものもある。
また,本件マニュアルのうち,本件システムの表示画面の部分については,本件シス
テムを起動し,システムを動作させながら入力作業を行った本件システムの画面を本
件マニュアルに取り込んだものであって,技術が必要であった。
以上のとおり,原告は,独自の表現方法によって,全体構成を考えながら,本件マニ
ュアルを作成したものであって,本件マニュアルに独創性があることは明らかである。
なお,本件マニュアルは,平成28年11月9日に完成したもの(9494キロバイ
ト)であって,平成27年6月16日に完成したもの(3637キロバイト)とは異
なる。
【被告の主張】
本件マニュアルは,本件システムの表示画面が取り込まれ,若干のコメントが付さ
れているものにすぎない。
本件コメントの表現は,より効率的な操作方法へと向かう一方向性を有しており,表
現の多方向展開性を有する精神活動を意味する「創作性」を具備しない。また,本件
コメントは,本件システムの表示画面に対するありふれた初歩的,典型的なコメント
であり,機能を説明するにすぎないから,「思想又は感情の表現」に当たらず,システ
ムマニュアルは技術に属する実用品であって,「文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属
するもの」ではない。
よって,本件マニュアルは,原告の「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではな
い。
なお,本件マニュアルは,平成27年に作成されたものである。
⑵ 争点2(本件マニュアルの職務著作性の有無)について
【被告の主張】
本件マニュアルは,平成27年6月から8月頃,被告の発意に基づき,被告の業務に
従事する者として,原告が職務上作成したものであり,被告は原告に対し,労務提供
の対価として合計16万円を支払った。本件マニュアルは,本件システムの販売事業
の展開次第では被告名義で公表されることが予定されていた。
よって,本件マニュアルは,職務著作であるから原告には著作権が帰属しない。
仮に,原告主張のとおり,原告が,株式会社アイエスエフネットライフ(以下「アイ
エスエフネットライフ」という。)の従業員として本件マニュアルを作成したのであ
れば,本件マニュアルは職務著作として,同様に原告には著作権が帰属しない。
【原告の主張】
否認又は争う。
原告は,被告の従業員ではなく,被告の取引先であるアイエスエフネットライ

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。