著作権に基づく差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(ワ)22922
判決日2018-11-15
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法79条1項、著作権法83条、著作権法83条2項、著作権法112条1項
当事者原告 株式会社三京房/被告 株式会社筑摩書房

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
⑴ 出版権の存否及び対象物
⑵ 被告による出版権侵害行為の有無
4 争点についての当事者の主張
⑴ 争点⑴(出版権の存否及び対象物)について
(原告の主張)
MMPIは,質問紙法の人格検査であり,その心理検査に用いられる55
0項目の質問の総体が,心理検査の目的を達成するために創作的に表現され
た著作物である。旧三京房版及び新日本版は,日本語に翻訳された上記質問
により構成された書籍及び冊子式質問票であるから,MMPIの二次的著作
物である。Aは,MMPIについて,旧三京房版に係る翻訳や新日本版に係
る再翻訳等をした者であり,旧三京房版及び新日本版の著作権者である。
原告は,昭和37年12月15日,Aとの間で,出版権設定契約(以下
「本件出版権設定契約」という。)を締結した。本件出版権設定契約の時点
で未だ旧三京房版及び新日本版は存在しなかったため,本件出版権設定契約
は,完成した特定の出版物を対象とした契約ではないが,今後日本国内で出
版される日本語のMMPIについて,原告が,無期限に独占的・排他的な出
版権を取得するという内容の契約であった。なお,原告とAは,昭和46年
1月1日付けで本件出版権設定契約を確認する趣旨で出版権設定契約書(甲
17)を作成した。
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したがって,原告は,本件出版権設定契約に基づき,旧三京房版及び新日
本版の出版権を有する。
被告は,著作権法83条を根拠に無期限の出版権設定契約は3年の経過で
消滅すると主張するが,同条にいう「存続期間につき取り決めがない場合」
とは存続期間について定めなかった場合をいうところ,本件出版権設定契約
は存続期間を無期限とする旨を取り決めており,このような場合には契約当
事者の合意に基づき出版権設定契約は無期限に有効である。
(被告の主張)
原告が本件出版権設定契約締結の根拠とする契約書(甲12)は,「著作
権使用契約書」という標題の下に権利者をAとし,使用者を原告と表示した
もので出版権の設定を内容とするものではなく,本件出版権設定契約が存在
したことを裏付けるものではない。なお,昭和46年1月1日付けの出版権
設定契約書(甲17)は,A本人は署名せず,Aの印影は同人の印章によっ
て顕出されたものとは認められないから,成立の真正は推定されず,本件訴
訟提起後相当経過してから提出された等の経緯の不自然さ等からしても真正
に成立したものとは認められない。
仮に本件出版権設定契約の成立が認められるとしても,原告の出版権は旧
三京房版の出版後3年の経過により消滅した(著作権法83条2項)。
仮に同契約による出版権が存続しているとしても,出版権の設定には原作
となる著作物が特定されている必要があり,契約締結時点において存在しな
い旧三京房版及び新日本版は出版権の対象となり得ない。
また,Aは新

主文(判決文より)

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1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。