事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成20(ネ)2836 |
| 判決日 | 2010-01-22 |
| 分類 | 知的財産 / 商標 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点(1)(控訴人標章は本件商標に類似するか)について 控訴人標章は「十二単」(じゅうにひとえ)との部分と,「招福巻」(招福巻) との部分を結合させた結合標章というべきものであるところ,本件商標と控訴 人標章とを比較する際に控訴人標章において比較の対象とすべきは,「招福巻」 との部分だけでなく,「十二単の招福巻」という標章の全部である。 控訴人標章における「招福巻」との部分は,後記のとおり,福を招く行事 である節分において慣用されている「招福」という語句と,一般的に巻き寿 司を表す接尾語である「○○巻」という語句から構成されるもので,節分用 巻き寿司の名称としてもはや普通名称化していることは明らかである。また, 「十二単」との部分についてみると,十二単という単語は,広辞苑(乙4 5)に記載のとおり,「①女房装束の俗称。肌着の単(ひとえ)の上に,数 領の袿(うちき)(五つ衣など)を重ね,その上に唐衣(からぎぬ)と裳 - 2 - (も)をつける服装。じゅうにのおんぞ。」との意であり,その本来的に意 味するところは,日本古来の女性の着物の呼称である(なお,乙49の1な いし4)。そして,「十二単」という単語自体が直ちに「12種類の」という 意味を有するものではなく,「十二単の招福巻」という名称だけから,一般 消費者等において直ちに「12種類の具材が入っている」ということは想起 できず,たとえば,女房装束としての十二単のように多数の衣が重ねられて いるとか,多数の色とりどりの具材が入っているとか,或いは単に重厚さ, 高級さを感じるに止まることも十分あり得るから自他識別力がないとまでは いえない。 以上のとおり,控訴人標章は,本件商標と共通する「招福巻」の部分に自 他識別力はなく,他方で「十二単」の部分に自他識別力がないとはいえない 以上,本件商標との対比は,「十二単の招福巻」の全部との間でなされるべ きである。 (2) 争点(2)(本件商標権の効力は控訴人標章に及ばないか)について ア 法26条1項2号(普通名称),4号(慣用商標)該当性について 乙2,3,16〜25(枝番を含む。)の各チラシにつき,「招福巻」の使用 例を①「節分用巻き寿司を示す一般的な名称」として用いられている例と,② その中の「一商品名」として用いられている例に分けて分析する方法は,ある 特定の表示が「一般的な名称」であると同時に「一商品名」であることもあり 得ることを見落とすものである。 この点をさて措くとしても,原審で提出された証拠だけをみても約30にも のぼる全国のスーパーマーケットや寿司店が複数年にわたって節分用巻き寿司 に「招福巻」を含む文言を使用することにより,自他識別力を失っており,特 定人の独占を許すことが適切でない事態に至っていることは明らかである。ま た,節分に「招福」という
主文(判決文より)
1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。 2 上記の部分につき,被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,1,2審とも被控訴人の負担とする。
出典
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