特許権に基づく差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(ワ)5074
判決日2018-01-30
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、特許法100条1項、特許法102条2項
当事者原告 大洋化学株式会社/被告 有限会社寿

この事件の代理人

  • 山本俊(原告代理人)/第二東京弁護士会
  • 笠原基広(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
各被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか否か
ア 各被告製品が構成要件Iを充足するか否か(争点1)
イ 各被告製品が構成要件Kを充足するか否か(争点2)
ウ 各被告製品が構成要件Lを充足するか否か(争点3)
エ 各被告製品が構成要件Mを充足するか否か(争点4)
オ 構成要件Mについての均等侵害の成否(争点5)
原告の損害額(争点6)
3 争点に関する当事者の主張
争点1(各被告製品が構成要件Iを充足するか否か)について
[原告の主張]
構成要件Iは,吸着面の幅長につき具体的な数値限定をしていない。本件明
細書によれば,本件発明は「攪拌装置から牌を取り上げ,形成・供給機構に供
給する機構を簡単にし,機構自体を小型にし,自動麻雀卓をコンパクトで経済
的にする」(段落【0007】)ためのものであり,構成要件Iにおける吸着面
の幅長はこの本件発明の目的に適合するよう解釈されるべきである。
各被告製品の吸着面の幅はおよそ32mmと各被告製品に用いられる牌の
短辺(23mm)より9mmほど長めであるにすぎず,機構自体の大型化を招
くような差とは評価し難いし,そもそも本件明細書には円筒回転体につき「ス
ペース的には従来の水平方向に回転する汲上方式とは異なり円筒回転体の幅
は牌の縦幅と略等しい寸法で」(段落【0009】)よいとの記載があり,円筒
回転体の幅が牌の縦幅(各被告製品においてはそれぞれ33mmと32mm)
と略等しい場合にも構成要件Iを充足することが強く示唆されている。したが
って,各被告製品の吸着面は「牌の横幅ほどの幅をもつ」といえるから,各被
告製品は構成要件Iを充足する。
[被告の主張]
各被告製品の吸着面の幅は約32.6mmであり,牌の横幅(約24.0mm)
よりはるかに大きく,牌の縦幅(32.9mm)にほぼ等しいから,「円筒回転体
の一側端から牌の横幅ほどの幅」であるとは到底いえず,各被告製品は構成要
件Iを充足しない。
また,構成要件Iが吸着面の幅を牌の横幅ほどとしたことの技術的意義は,
円筒回転体の吸着面上で,縦方向以外の状態で円筒回転体に取り上げられた牌
を案内部材に接触させることによって牌の方向を揃えることにある。しかし,
各被告製品においては,吸着面の幅と縦幅との差は0.3mmと吸着面の幅のほ
うがわずかに短いだけであるので,牌を案内部材に接触させても,牌を確実に
縦向きに揃えることはできず,牌の方向を揃えるための付加的な機構(例えば
搬送コンベア)が必要となるから,本件発明の課題(機構の簡略化,機構の小
型化及び自動麻雀卓をコンパクトで経済的にすること)を解決できない。
争点2(各被告製品が構成要件Kを充足するか否か)について
[原告の主張]
「沿う」の語には「長く続いているものに,離れないように付き従う」,「何
かに並行した形で続い

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。