事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)15789 |
| 判決日 | 2016-02-25 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 LVMHファッション・グループ・ジャパン株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 原告彫刻の著作物性(争点1) (2) 複製権侵害の成否(争点2) (3) 氏名表示権侵害の成否(争点3) (4) 差止めの必要性(争点4) (5) 原告の損害額(争点5) (6) 謝罪広告の要否(争点6) 3 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(原告彫刻の著作物性)について [原告の主張] 原告彫刻は,①人間(女性)の胴体を表現した彫刻であって,②表面に光 沢を有する白色の素材により製作され,③半立体的な板状の全体形状を有し, ④乳首および陰部が見えないぎりぎりの位置で胴体の上下を水平方向にカッ トし,かつ左の乳房の中心位置で垂直方向にカットしたことを特徴とするも のである。 原告彫刻は,法10条1項4号が「美術の著作物」として例示する「彫刻」 の著作物であるから,純粋美術そのものであり,仮に純粋美術そのものでは ないとしても,純粋美術と同視し得る美術工芸品に該当する。美術工芸品を 最も狭く解する学説であっても,一品製作の手工芸品が美術工芸品に該当す ることに異論はなく,原告彫刻が美術工芸品にすら該当しないことはあり得 ない。 被告は,原告彫刻が装飾のために使用される実用品であり純粋美術と同視 できないと主張するが,装飾のために使用されるということは鑑賞目的と同 じことであり,そのようなものは実用品とはいえない。 [被告の主張] ア 原告はジュエリーデザイナーで,原告彫刻を含む指輪はジュエリーとし て制作・販売されている。ジュエリーは,一般に,自身の装飾のために使 用される実用品であり,いわゆる応用美術であって純粋美術と同視するこ とはできない。また,原告彫刻のサイズは非常に小さく,いわゆる絵画等 の美術品のように,独立して観賞の対象とならないことが明らかである。 イ 仮に,応用美術において著作物性を認める余地があるとしても,著作権 侵害が認められるためには,原告が応用美術のうち侵害として主張する部 分が著作物性を備えている必要がある。しかしながら,以下のとおり,原 告が原告彫刻の本質的特徴であると主張する部分にはいずれも創作性がな く,著作物性を備えているとはいえない。 まず,①人間(女性)の胴体を表現した彫刻であって,②表面に光沢を 有する白色の素材により製作されているという点については,女性の胴体 を表現した彫刻が無数にあるありふれた造形物であり,人体の造形物の色 彩は白色系となることがほとんどで,かつ磁器による造形物の色彩が一般 に白色系となることからすれば,いずれも,原告の創作性を見出すことは できない。次に,③半立体的な板状の全体形状を有しているという点につ いては,その意味が不明であるが,本件各写真からは,その全体形状を有 しているのかどうかも不明である上,仮に原告がいうような形状があると しても,その形状はありふれたもので
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。