著作権侵害差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成26(ワ)22400
判決日2015-11-30
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法112条1項、著作権法114条2項
当事者被告 株式会社語学春秋社

この事件の代理人

  • 大熊裕司(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 三山裕三(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 複製権又は翻案権の侵害は成立するか(争点1)
(2) 氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか(争点2)
(3) 被告に過失があるか(争点3)
(4) 損害額(争点4)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(複製権又は翻案権の侵害は成立するか)について
【原告の主張】
ア 原告語呂合わせの具体的表現について
原告語呂合わせは,例えば原告語呂合わせ1についていえば,「ビヤーッ、どっ
とはえる( )。」などと,括弧付きの空欄部分を含む表現となっているが,原
告書籍は,英単語を記憶するための書籍であり,読者は,原告語呂合わせを参照し
て,括弧付きの空欄部分に当該英単語の日本語訳を読み込んで記憶を行う。原告語
呂合わせ1についていえば,「beard」との英単語の日本語訳である「(あご)ひげ」
を括弧付きの空欄部分に読み込み,「ビヤーッ、どっとはえる(あご)ひげ。」と
して記憶する。
したがって,原告語呂合わせの創作性や被告語呂合わせとの類似性を判断するに
際しては,対象となった英単語の日本語訳を括弧付きの空欄部分に読み込んだもの
を原告語呂合わせと把握すべきである。
イ 原告語呂合わせが創作性を有することについて
(ア) 総論
語呂合わせは,英単語を記憶しやすくする目的で表現されるもので,短文であっ
たとしても作成者の個性が発揮され得るものである。
また,英単語の語呂合わせは,誰が作成しても同様の表現になるというものでは
なく,英単語の発音をどの程度変容させるか,助詞をどのように組み合わせるか(組
み合わせ次第によっては日本語の文章内に英単語を組み入れることもできる。),
オリジナルの単語(例えば,原告語呂合わせ10の「淫売路面」など)を作成して
組み込むかなど,他の者にとって表現の選択の幅は広いから,創作性が肯定される
べきものである。
原告語呂合わせは,いずれも,英単語を記憶しやすくする目的のために作成され
た,極めて知的な創作活動の成果であって,創作性が認められる。
この点,被告は,英単語の語呂合わせについて,その性格上,①英単語の発音に
類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳を組み合わせて語句又は文章としな
くてはならないこと,②当該語句や文章は短くなくてはならないこと,③音読した
ときにリズムがよくなければならないことなど,表現上の厳格な制約に服するなど
と主張するが,被告が指摘する①ないし③の要素は,どのようにすれば英単語を効
率よく記憶できるかという観点から生み出された語呂合わせの知的創作活動の成果
というべきであって,英単語の語呂合わせに,短歌や俳句に見られるような表現上
の制約があるわけではない。
(イ) 各論
原告語呂合わせがいずれも創作性を有することは,別紙主張整理表中,「原告の
主張」の「創作性」欄に各記載のとお

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。