不正競争行為差止等請求事件,業務禁止等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成26(ワ)11151等
判決日2016-07-21
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項7号
当事者原告 錫器事業協同組合/原告 大阪錫器株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点(1)(本件合金の営業秘密性)について
【原告らの主張】
以下のとおり,原告らが開発した別紙の内容の本件合金の組成は,営業秘密に該
当する(なお,原告らは,本件合金の製造方法については営業秘密として主張しな
い。)。
(1) 有用性
従前,錫製品には鉛が含まれていたが,食品,添加物等の規格基準が改正され,
容器等の鉛の含有量を●(省略)●未満にしなければならないと変更されたため,
鉛レス合金を開発する必要が生じた。そこで,原告会社の昭和56年以降の基礎研
究に基づき,原告組合は,平成19年以降,鉛レス合金の開発を行った。合金は,
温度,成分の割合等によって液体,固体の状態が異なり,温度,割合,状態の関係
を一つずつ実験する必要があり,原告組合は,平成20年4月頃から平成24年2
月頃までの間,合計6302万0895円(補助金3293万9288円及び原告
組合の負担金3008万1607円)を費やして,622種類の合金について実験
を行い,●(省略)●から成る鉛レスの本件合金を開発した。
このようにして開発された本件合金を使用すると,鉛の含有率が●(省略)●以
下であっても,錫の切削性が失われず,加工,鋳造が容易になり,従来と同じく伝
統的な技術による加工が可能となるから,本件合金は,特殊な伝統技術を用いた錫
器製造の根幹をなす。
したがって,本件合金は,錫器の製造に有用な技術上の情報に当たる。
(2) 非公知性
錫は,合金にしやすく,気体を含む100余りの元素と結び付けられるため,錫
合金の各元素の含有量を解析するためには,添加元素を全て特定した上で,その含
有率を測定する必要があり,錫と結合可能な100余りの元素を全て分析しなけれ
ばならず,データの精度を確保するには,5点ないし10点の検体を分析する必要
がある。1元素当たりの分析費用の平均が7000円であるとして,100元素に
つき,検体数を10点ずつとすると,合計700万円の費用を要し,半年ないし1
年の期間がかかるから,錫の高品位部分の合金では,分析に高額の費用を要し,分
析によって金属含有量を特定するのは困難である。
仮に,解析によって本件合金の金属含有率を測定できたとしても,金属がなじむ
温度,金属を入れる順番等について専門知識,特殊な技術がなければ,偏析(金属
や合金が凝固する際,不純物や成分元素の濃度分布が不均一になる現象)を起こし
やすく,本件合金と同じ合金を製造することは不可能である。いわゆるリバースエ

主文(判決文より)

1 A事件原告及びAB事件原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は同原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。