特許権侵害等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和7(ワ)70423
判決日2026-05-22
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条

この事件の代理人

  • 矢倉千栄(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
⑴ 本案前の争点
国際裁判管轄の有無(争点1)
⑵ 本案の争点
ア 本件特許権侵害の有無(争点2)
イ 原告の損害及び額(争点3)
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1(国際裁判管轄の有無)について
(原告の主張)
安部晋三内閣総理大臣は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の締
結前である平成27年4月29日、米国連邦議会上下両院会議において、
「太平洋の市場では知的財産がフリーライドされてはなりません。」と発言
した。同発言は、日本政府が、「日本市場の米国特許侵害は米国市場の米国
特許侵害と同様厳しく法的処置する」ことを国際公約したものである。
被告らは、本件特許の製造方法を用いて日本市場において半導体集積回路
デバイス(半導体チップ)を製造、販売しており、このような被告らの行為
は、米国国内の自由競争に莫大な影響を与えるほどの米国国外における違法
行為であるから、日本の裁判所は、上記国際公約に基づき、本件各訴えに係
る裁判管轄を有する。
(被告JASMの主張)
特許権については属地主義の原則が妥当し、各国の特許権は、その成立、
移転、効力等につき当該国の法律によって定められ、特許権の効力は当該国
の領域内においてのみ認められる。そして、特許権侵害訴訟においては、本
案の審理に入れば、特許権侵害の有無や特許の有効性が不可避的に争点とな
るところ、これらの問題についての判断は、属地主義の原則により、当該特
許の登録国の裁判所の専属管轄に属すると解すべきである。以上に加え、国
際礼譲の観点も踏まえると、本件特許のような米国特許に係る侵害訴訟につ
いて、日本の裁判所が判断することはできず、また判断すべきでない。
したがって、日本の裁判所は、被告JASMに対する訴えについて管轄を
有しない。
(被告TSMCの主張)
台湾法人である被告TSMCは、日本で製造、販売等の事業を行っておら
ず、したがって、日本における営業所を有していないし、日本における代表
者も置いていない。
このように、被告TSMCの行為は日本に関係しない以上、被告TSMC
に対する訴えが、日本の裁判所に管轄が認められるための要件を満たすこと
はない。
⑵ 争点2(本件特許権侵害の有無)について
(原告の主張)
本件特許の請求項1ないし3に記載された発明(以下、これらを併せて
「本件各発明」という。)は、液浸露光を使う半導体集積回路デバイス(半
導体チップ)の製造方法であり、45nmより微細な半導体集積回路デバイ
スを製造するためには本件各発明を実施する必要がある。
被告JASMは、日本市場において、28~20nmの半導体集積回路デ
バイスを製造販売している。
また、被告TSMCは、45nm以下の回路パターンの半導体集積回路デ
バイスを、中国ファーウェイのブランド名で製造し、同ブランドの

主文(判決文より)

1 本件各訴えのうち、被告TSMCに対する訴えを却下する。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。