発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和7(ワ)70593
判決日2026-03-24
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項9号
当事者原告 株式会社縁人/被告 株式会社桃太郎

この事件の代理人

  • 戸田泉(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 権利侵害の明白性について(争点 1)
(被告の主張)
本件発信者の IP アドレス等は、本件調査会社が開発した本件システムを用
いた調査によって判明した。
Bittorrent では、ユーザーがトラッカーサーバーに接続し、特定のファイル
の発信者のリストを要求すると、要求を受けたトラッカーサーバーは、自身
25 にアクセスしている発信者(ピア)の IP アドレスが記載されたリストをユー
ザーに返信する。本件システムはその仕組みを利用したものである。すなわ
ち、本件システムは、トラッカーサーバーに接続して本件動画の発信者リス
トを要求し、トラッカーサーバーから、それにアクセスしている発信者の IP
アドレスが記載されたピアリストの返信を得る。そのピアリストをもとに、
本件システムは、Bittorrent 上で、相手方が発信者(ピア)であることを確認
し(HANDSHAKE)、接続の完了を通知し(ACK)、発信者が所持しているフ
ァイルの一部(ピース)が 1 以上であるか、接続された発信者と本件システ
ム相互が対象ファイルのどの部分を所持しているかといったピース情報を照
合する(BITFIELD)。照合の結果、本件システムが持っていないピースがあ
る場合、本件システムは、接続された発信者に対し自分が当該ファイルに興
味を持っていることを通知し(INTERESTED)、これに対し、発信者が、当該
ピースがダウンロード(アップロード)可能であることを通知する
(UNCHOKE)。以上の通信プロセスを経て、発信者から本件システムに当該
ピースのファイルがダウンロードされる。本件システムでは、発信者からピ
ースをダウンロードした時点の時刻並びにその時刻における IP アドレス及
びポート番号の情報をデータベースに記録している。
上記の調査手順を用いる本件システムは、信用性を有する。原告は、被告
のアクセスログと原告が保有する通信記録との一致性に不明確な点がある旨
主張するが、具体的にどの部分がどのように不明確なのか明らかでない。ま
た、仮に意見照会において不同意である旨の回答が複数存在していたとして
も、そのことから権利侵害の明白性が否定されるわけではない。
(原告の主張)
被告訴訟代理人が属する法律事務所と本件調査会社の所在地は同一であり、
調査の独立性・中立性に懸念がある。また、本件調査会社の提示した技術的
調査結果の正確性(アクセスログや識別情報の一致性)にも疑義がある。た
だし、具体的技術をもとに本件システムの信用性について争うことはできな
い。
また、意見照会の結果、複数の発信者から開示不同意の意見を得ている。
(2) 手続上の瑕疵について(争点 2)
(被告の主張)
原告が発信者情報の保有の有無の調査中である旨書面で

主文(判決文より)

15 1 東京地方裁判所令和 7 年(発チ)第 12708 号発信者情報開示命令申立事
件について、同裁判所が令和 7 年 10 月 2 日にした別紙決定を認可する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。