事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(ワ)70088 |
| 判決日 | 2026-01-29 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 SBクリエイティブ株式会社 |
この事件の代理人
- 清水節(被告代理人)/第二東京弁護士会
争点(判決文より)
争点に関する当事者の主張 原告は、複製権及び翻案権の各侵害を主張するほか、原告の著作者人格権(氏 名表示権及び同一性保持権)及び譲渡権の各侵害を主張しているところ、原告の 主張によれば、著作者人格権及び譲渡権の各侵害は、複製権及び翻案権の各侵害 を前提とするものである。このような原告の主張を踏まえ、本件においては、複 製又は翻案の成否が中核的争点とされた。この点に関する当事者双方の主張は、 次のとおりである。 (原告の主張) 別表対比表「補足」欄、「原告再反論」欄、「原告再々反論」欄で主張すると おり、原告各記述と被告各記述は、共通点ないし類似点が多数存在し、被告各記 述は、原告各記述の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるものであ る。そして、原告各小説は、全てインターネット上で公開され、誰でも見ること ができる状態にあったから、被告又は被告小説の作者が原告各小説の内容を知る 機会は十分にあった。したがって、被告小説は、原告各小説に依拠し、これらを 複製又翻案したものであるから、原告各小説に係る複製権又は翻案権を侵害する ものである。なお、本件訴訟においては、原告各小説についてのみ複製権又は翻 案権侵害を主張する。 また、被告小説コミカライズ版にも被告が関与していると考えられるところ、 被告小説コミカライズ版による複製権又は翻案権の各侵害の主張は、通し番号4 1の「星形(十字の星)のブローチを魔女にプレゼントしている」という点のみ 主張するものであり、その余の主張は、いずれも被告小説による複製権又は翻案 権の各侵害を主張するものである。 (被告の主張) 別表対比表「被告反論」欄及び「被告再々反論」欄で主張するとおり、原告各 記述と被告各記述は、そもそも表現が類似したものではない上、類似している箇 所については原告各記述自体がありふれた表現として著作物性を有しないもの である。また、被告小説が出版された平成29年2月の時点では、未だ原告から 被告主催の新人賞に対して原告小説が応募されておらず、更には被告及び被告小 説の作者は、「小説家になろう」等の小説投稿サイトにおいて原告各小説が掲載 されていた事実も認識していなかった。そのため、原告各小説に依拠した事実も ない。 したがって、被告小説は、原告の複製権又は翻案権を侵害するものではない。 なお、被告小説コミカライズ版を出版したのは、被告ではなく、株式会社スク ウェア・エニックスである。
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。