著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和2(ネ)171
判決日2020-08-28
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法117条2項

この事件の代理人

  • 西村渡(原告代理人)/大阪弁護士会
  • 蝶野弘治(被告代理人)/大阪弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 本件著作権の帰属(争点1)
(2) 昭和41年用紙の利用に係るP2の被控訴人に対する許諾の有無等(争
点2)
(3) 被告各用紙の発行等に係る控訴人及び本件各相続人の被控訴人に対する
許諾の有無等(争点3)
(4) 控訴人の各請求に係る権利濫用の成否(争点4)
(5) 控訴人の損害額(争点5)
4 争点に関する当事者の主張
次のとおり補正し,後記5において当審における当事者の主張を加えるほか,
原判決5頁9行目から12頁14行目までに記載のとおりであるから,これを
引用する。
(原判決の補正)
(1) 原判決6頁21行目の「そうすると」から22行目末尾までを削る。
(2) 原判決8頁25行目の「後にその合意は無効とされたものの,」を削る。
(3) 原判決8頁26行目の「遺産分割合意」を「遺産分割協議」に改める。
(4) 原判決12頁7行目の「税額」を「印税額」に改める。
- 3 -
5 当審における当事者の主張
(1) 争点1(本件著作権の帰属)に関する当審における被控訴人の主張
ア P2は平成5年以降,被控訴人が発行する本件回答方法説明用紙におい
て,「発行所 日本心理テスト研究所(株)」の下に「ⓒ日本心理テスト研
究所(株)〔不許複製〕」と付記することを容認した。このような態度か
らすると,P2は,将来,被控訴人に本件著作権を帰属させる意思が
あったといえる。
イ 本件公正証書遺言及び本件自筆証書遺言に本件著作権について明確な
記載がないのは,昭和41年用紙に関し,著作財産権,著作者人格権,
印税請求権と多岐にわたる権利関係を整理しきれなかったためと考えら
れる。
本件公正証書遺言8条は,「YG性格検査に関連する著作物(手引き,
テープ等)に関する財産権」が被控訴人に属することを確認したが,有
体物である著作物を取得するだけでは,P2の相続人から本件著作権の
侵害を主張されるおそれがある。被控訴人を通じて昭和41年用紙が広
く永続的に利用されることを望んでいたP2が,そのような事態を望ん
でいたとはいえない。
ウ したがって,P2は,本件公正証書遺言及び本件自筆証書遺言により,
被控訴人に本件著作権を取得させる意思を有していたと考えるのが合理
的である。
(2) 争点2(昭和41年用紙の利用に係るP2の被控訴人に対する許諾の有
無等)に関する当審における控訴人の主張
ア P2の意思の合理的解釈からは,P2の被控訴人に対する利用許諾を
認定することができないこと
YG性格検査が広く利用され続けることをP2が期待していたことに
間違いはないが,そこから,「被控訴人の事業遂行に当たって」利用さ
- 4 -
れることが優先されていたことは導けない。自らの人生をかけてYG性
格検査の開発及び信頼性の維持に努めてきたP2は,その発展が阻害さ
れる態様で

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。