発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和7(ネ)10022
判決日2025-07-30
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法14条1項
当事者控訴人 KDDI株式会社/被控訴人 有限会社プレステージ

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は、後記3のとおり補正し、
後記4のとおり当審における控訴人の補充主張を付加するほか、原判決「事実
及び理由」第2の2、3及び第3(2頁16行目から11頁22行目まで)に
記載のとおりであるから、これを引用する。
3 原判決の補正
原判決4頁8行目の「ハッシュ値」の次に「(乙27)」を加える。
4 当審における控訴人の補充主張
⑴ 原判決別紙動画目録「ハッシュ」欄記載の数値が、本件動画を複製して作
成した動画のファイル(本件ファイル)に係るハッシュ値であることが明ら
かではないこと
原判決は、原判決別紙動画目録「ハッシュ」欄記載の数値が、本件ファイ
ルに係るハッシュ値であることを前提に、本件動画に係る被控訴人の公衆送
信権侵害を認めた。
しかし、被控訴人は、本件動画と同一であると疑われる本件ファイルのハ
ッシュ値が原判決別紙動画目録「ハッシュ」欄記載の数値であることを裏付
ける客観的な証拠を一切提出していない。そのため、ハッシュ値の同一性を
理由に、本件各氏名不詳者がアップロードした各ピースが本件動画の公衆送
信権を侵害したことが明らかであるとはいえない。
⑵ 再生試験結果報告書(乙5)において確認された通信の一部は、本件通信
と同一であることが明らかではないこと
原判決別紙動画目録4、20、22、26、48、107、125、13
7、139、150、153及び181記載のIPアドレス等で特定される
通信(以下「12件の通信」という。)については、同動画目録記載の「発信
時刻」と再生試験結果報告書に記載された「日時」が異なる。
この点につき原判決は、「再生試験報告書記載の各日時は、本件監視ソフト
ウェアが上記ピースのダウンロードを完了した日時を意味する」とした上で、
「証拠(乙6)及び弁論の全趣旨によれば、本件調査会社が利用したハード
ディスクの読み書きの関係で、ダウンロードの開始から完了までの時間がか
かる場合があることが認められ、そうだとすれば、再生試験報告書記載の各
日時と別紙動画目録記載の各発信時刻に4秒程度の相違があったとしても、
それだけで本件調査会社による調査結果の信用性が否定されることはないと
いうべきである」と判示する。
しかし、被控訴人が提出した乙6によると、「本件ソフトウェア(本件監視
ソフトウェア)は、ピアからピース(ファイルの一部)を受け取った直後、
そのピースは一旦メモリ(RAM)に格納され」、「その後、メモリ上に格納
されたピースはハードディスクに書き込まれ」、当該ハードディスクに書き
込まれた時間が再生試験報告書記載の各日時であるとのことである。そうす
ると、原判決が「再生試験報告書記載の各日時は、本件監視ソフトウェアが
上記ピースのダウンロードを完了した日時を意味する」と認定した点は、明
らか

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。