損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10105
判決日2024-06-12
分類知的財産 / 著作
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は、以下のとおりである。
(1) 本件冊子に係る複製権侵害の有無
ア 本件冊子の頒布期間(争点1)
イ 利用許諾期間(争点3)
(2) 本件販促用写真に係る同一性保持権侵害の有無
ア 本件販促用写真と「意に反する改変」の有無(争点2)
イ 本件写真③、⑤のトリミングと許諾の有無(争点3)
(3) 損害額(争点4)
(4) 消滅時効の成否(争点5)
3 争点に関する当事者の主張
争点に関する当事者の主張は、以下のとおり当審における控訴人の補充的
主張を加えるほか、原判決「事実及び理由」の第3(4頁~)に記載のとお
りであるから、これを引用する。
【当審における控訴人の補充的主張】
(1) 争点1(本件冊子の頒布期間)について
原判決は、本件たばこが販売されていた平成17年2月から同年12月ま
での期間のうち、同年4月以降は同年3月までに獲得された顧客のリピー
ト・定着の促進を図るべき期間と位置付けられていたとして、控訴人が主張
する侵害対象期間である同年5月以降の本件冊子の頒布の事実を認めなかっ
た。
しかし、本件冊子は、本件たばこのネーミングが広く記憶され、本件たば
こが広く消費されるためのものである以上、本件たばこが販売されている間
は本件冊子が頒布されていたことが明らかである。
(2) 争点5(消滅時効の成否)について
原判決は、控訴人が広告代理店から本件デザイン案の交付を受けたことか
ら、利用(改変)する写真を本件デザイン案のものから本件写真③、⑤に入
れ替えた本件ハンドブックについても、平成17年2月頃に広告代理店から
交付を受けたことが十分合理的に推認されるとして、その頃に損害の発生及
び加害者を知った旨判示するが、控訴人が本件デザイン案の交付を受けたか
らといって、それとは別の、利用(改変)する写真を本件デザイン案のもの
から本件写真③、⑤に入れ替えた本件ハンドブック等の交付を受けたことが
推認されることにはならない。
本件デザイン案では、本件写真③、⑤については目立った改変はされてお
らず、控訴人が本件デザイン案に異議を述べなかったとしても、広告代理店
によって本件写真③、⑤が本件販促用写真のように無残に改変されることが
提示され、控訴人がこれに異議を述べなかったことにはならない。
また、原判決は、Aの陳述書(甲10)につき、平成17年2月頃に撮影
された写真の記憶が令和2年9月頃に喚起されるのが不自然であるとするが、
人の記憶能力や記憶喚起のきっかけは千差万別であり、原判決のような決め
つけは経験則に反する。

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。