特許権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成26(ネ)10104
判決日2015-06-16
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点(1)(被告製品1の構成要件Aの充足性)
に関し)
(原告の主張)
本件発明の構成要件Aにいう「GaN基板」の意義は,少なくとも「下面」,つま
り,「n電極を形成する面」から厚さ方向に5μmよりも上の領域では結晶欠陥の数
が1×107個/cm2以下であるGaN基板をいうものであり,GaN基板それ自
体に上下方向を特徴付ける属性を備えるものではなく,原判決の限定解釈は誤りで
ある。
ア 特許請求の範囲に基づく解釈について
(ア) 原判決は,特許請求の範囲の記載に基づき,構成要件Aの「GaN基
板」の意味を,「本件発明に係るGaN基板は,それ自体に上下方向を特定すること
ができる属性を備えたものであることを要する」とした上で,本件明細書等をも検
討し,結論としては,「構成要件Aの『GaN基板』は,単に,基準面より上の領域
の結晶欠陥の数が所定の数(1×107個/cm2)以下であり,基準面より下の領
域との間で結晶欠陥の数の偏在があるというだけでは足りず,後者の数が前者の数
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よりも相対的に多いものとして特定されるGaN基板を意味するものと解するのが
相当である。」とした。
しかし,特許請求の範囲(構成要件A)には,GaN基板について「少なくとも
下面から厚さ方向に5μmよりも上の領域では・・・」と記載されているのみで,
下面から5μmまでの領域については何も規定されていない。それにもかかわらず,
下面から5μmまでの当該領域の結晶欠陥の数が5μmよりも上の領域よりも相対
的に多いとする原判決の上記認定は,当該特許請求の範囲の記載から離れ,そこに
は記載されていない構成要件を付加する不合理な認定であるといわざるを得ない。
(イ)a 本件発明は「窒化物半導体素子」に関する「物の発明」であり,特
許請求の範囲が規定しているのは当該「窒化物半導体素子」の構造である。このよ
うな窒化物半導体素子を対象とする発明において,その一部の構成要素にすぎない
GaN基板のみを取り出して,GaN基板自体に「上下方向を特徴付ける属性」な
るものがなければならないなどとの認定は失当である。本件のクレームを見れば,
「窒化物半導体素子」において,構成要件Dには「前記GaN基板の下面に形成さ
れたn電極」と記載され,構成要件Bには「前記GaN基板の上に積層された,活
性層を含む窒化物半導体層と」と規定されているから,「下面」や「下」(構成要件
A,D)とは,「窒化物半導体素子」における「n電極が形成された面」を指し,「上」
(構成要件B)とは,「窒化物半導体素子」における「活性層を含む窒化物半導体層
が積層された側」を指すことは一義的に明らかである。
原判決は,本件発明においては,GaN基板自体に最初から「下面」又は「n電
極が形成されるべき面」なるものがあり,そこにn電極が形

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。