損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成24(ネ)10011
判決日2012-06-27
分類知的財産 / 特許
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点に関する当事
者の主張」記載のとおりである。
1 控訴人の主張
(1) 特許権の文言侵害の有無について
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ア 構成要件Cの充足の有無について
(ア) 原判決は,本件明細書も,「軟質または半硬質」及び「硬質」という
用語を,材質,すなわち材料それ自体が有する硬さ(硬度)によって使い分けてい
ることからして,構成要件Cの「軟質または半硬質のプラスチック」は硬質のプラ
スチックであるポリスチロール(PS)を明示的に除外しているものと解されるか
ら,蓋がポリスチロール(PS)により形成されている被告製品は構成要件Cを充
足しないと判断した。
しかしながら,構成要件Cの「軟質または半硬質のプラスチック」という文言は,
本件発明の権利範囲を限定するための記載である。このため,この文言の解釈に当
たっては,出願人がいかなる技術的思想について特許権を取得しようとしたのかと
いう点を考慮しなければならない。
本件発明の技術的思想の本質的部分は,①壊れたりひび割れしたりするおそれが
なく安全であり,②こじ開けられることのないように密閉が確実な,開蓋防止機能
付き密閉容器を提供することにある(本件明細書段落【0006】)。
開蓋のために蓋の縁部片を切り取る際の衝撃によって身が壊れたりひび割れが生
じたりするというトラブルは,身の弾性が小さいことに起因するものである。した
がって,上記①の機能の観点からは,身の弾性が開蓋の際に縁部片を切り取る衝撃
に耐えられないような製品が除外される。また,密閉を確実にするためには,蓋の
弾性が重要である。なぜなら,蓋が係合部分の身の形状に合わせて変形することに
よって,蓋と身との間に生じる空間の体積を小さくすることが可能となるためであ
る。したがって,上記②の機能の観点からは,蓋が密閉を確実とする程度の弾性を
有していない製品が除外される。
以上のような観点から「軟質または半硬質のプラスチック」という文言を解釈す
れば,上記①②の機能を十分に発揮できないような製品が除外されると解すべきで
ある。
(イ) また,本件発明は,控訴人が開発した密閉容器であるMHシリーズを
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改良して発明されたものであるところ,このMHシリーズの開発工程における素材
の変遷も,上記(ア)の解釈の有力な根拠となる事実である。
すなわち,控訴人は,MHシリーズの開発工程において,当初,蓋をポリエチレ
ン(PE)にすることを要求されていたが,ポリエチレン(PE)では反りや歪み
が強かったため,ポリエチレン(PE)よりも曲がりにくい素材であるポリプロピ
レン(PP)を用いることとした。ポリエチレン(PE)の硬度はポリプロピレン
(PP)よりも小さいため,原判決の解釈によれば,ポリエチレン(PE)はポリ
プロピレン(PP)よりも「軟質」の素材である。それに

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。