事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)21642 |
| 判決日 | 2016-01-18 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 著作権法15条1項、著作権法32条1項 |
| 当事者 | 被告 KDDI株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 本件記事により原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかであ るか(法4条1項1号該当性。争点1) (2) 本件発信者情報が原告の損害賠償請求権の行使のために必要であるか(法4 条1項2号該当性。争点2) 4 争点に対する当事者の主張 (1) 争点1(本件記事により原告の著作権〔公衆送信権〕が侵害されたことが明 らかであるか)について 【原告の主張】 ア 本件写真が創作性を有する著作物であること 本件写真は,原告の事業部門である聖教新聞社に所属するB(以下「B」という。) が,平成19年12月25日,原告の業務として,原告施設において,原告の名誉 会長であるA(以下「A名誉会長」という。)を撮影したものである。本件写真は, Bがカメラマンとしての経験を活かし,A名誉会長の品格や柔和な表情を引き立た せるべく,構図,アングル,タイミング等に工夫をこらして撮影されたもので,B の思想,感情が創作的に表現された創作性を有する著作物である。 イ 原告が本件写真の著作権を有すること 前記アのとおり,本件写真は,原告の職員であるBが,原告の業務として,A名 誉会長を撮影したものであるが,本件写真は,原告の一部門である聖教新聞社が発 行する機関誌に掲載され,原告の名義で公表されたものであるから,原告の発意に 基づき原告の業務に従事する者が職務上作成する著作物であり,原告が自己の著作 の名義の下に公表するものであって,原告が著作者としてその著作権を有する(著 作権法15条1項)。 また,原告の就業規則75条1項には,職員が職務上作成した著作物の著作権は 原告に帰属すると規定されているところ,同規定によっても,原告が本件写真の著 作権者であるといえる。 ウ 本件掲載写真は,本件写真を複製したものであること 本件掲載写真は,本件写真と比較すると,A名誉会長の左胸のバッジより上の部 分でトリミングされているだけであり,明らかに本件写真との同一性が認められる から,本件掲載写真は,本件写真を複製したものである。 エ 引用(著作権法32条1項)が成立しないこと 本件記事は,「創価学会教祖Aレイプ事件」なるタイトルのもとで,インターネ ット上の情報を収集した記事であるが,本件写真とは無関係であって,本件写真を 引用する必要性・必然性は認められない。本件写真は,A名誉会長の肖像を紹介す るため本件写真を鑑賞させることに目的があるから,記事が「主」で本件写真が「従」 の関係にあるとも,本件写真の引用が引用の目的上必要最小限度の範囲内とも認め られない。さらに,記事には本件写真の出所も明示されていない。 したがって,本件記事において,本件写真が「公正な慣行に合致する」方法によ り,「引用の目的上正当な範囲内で」引用されているということはできない(著作 権法32条1項)。
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。