事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(ネ)10088等 |
| 判決日 | 2022-06-20 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、特許法102条2項 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点」及び「当事者の主張」は、後記3及び4のとおり、 当審における当事者の補充主張及び追加主張をそれぞれ加えるほか、原判決の 「事実及び理由」欄の第2の2及び3並びに第3に記載するとおりであるから、 これを引用する。 3 当審における補充主張 ⑴ 控訴人の主張 ア 争点1(本件各発明の技術的範囲への属否)について 被控訴人は、本件発明1の構成要件D―1の「沿う」の語について、 「一定の距離を離して配置されている」状態を含まないとの主張をして いる(後記4⑵ア )ところ、各被告製品においては、短い壁面側に配 置される一方のアンテナは、壁面から離間させて配置されているし、長 い壁面側に配置される他のアンテナも壁面付近に配置されたアンテナ 固定枠に遊嵌(余裕となる隙間をもって挿入)されて配置されているの であり、筐体を振るとアンテナは揺れるように配置されているのである から、構成要件D-1を充足しないことになる。 特許発明の技術的範囲への属否は、発明の効果を奏するか否かを参酌 して判断すべきであり、本件各発明が解決しようとする課題の解釈は、 本件各発明の奏する効果を定める原因となる。本件各発明の作用・効果 は、コンセント部からの制限(コンセントカバーの窓の大きさや形状) を受けるケーシング部分が実際に内挿される内挿部に生じるものであ る。そうすると、コンセント部の外部に露出したケーシング内にアンテ ナを配置した各被告製品は、本件発明の技術的範囲に属さない。 イ 争点2(本件各発明に係る無効理由の有無)について 原判決が乙13発明と本件各発明の相違点の認定を誤っていること 原判決は、相違点1として、乙13発明ではアンテナが蓋に配置され ている点、相違点2として乙13発明ではアンテナが線状である点、相 違点3として乙13発明では2つのアンテナは底面に沿って離間して配 置されている点を挙げている。 しかし、相違点1についてみると、乙13文献の図26を見れば、蓋 の少なくとも一部は無線拡張部と同じ幅であるので、その部分は「表示 面部の外縁から後方に延出」していることから「内挿部」に当たる。し たがって、アンテナは内挿部に配置されているということができる。 また、相違点2についてみると、乙13発明におけるアンテナは断面 矩形の棒状であり、これは板状体ということができるから、この点も本 件発明との相違点とならない。 さらに、相違点3に関しては、乙13発明においてアンテナが内壁面 に沿っているか否かを判断すべきであり、底面に沿っているか否かは本 件発明と乙13発明を比較する上では不要であるから、原判決の判断は 誤りである。 技術常識が踏まえられていないこと 複数のアンテナを送受信に使う場合には、その間隔をできるだけ離し た方が良好な特性が得られるという技術常識(乙23、24)を
主文(判決文より)
1 本件控訴について 原判決主文1項及び2項に係る本件控訴を棄却する。 原判決主文3項及び4項を次のとおり変更する。 ア 控訴人は、被控訴人に対し、1億9493万5883円 及びこのうち以下の各項記載の金員に対する同記載の日か ら各支払済みまで、①ないし⑤については年5%の割合に よる金員を、⑥ないし⑧については年3%の割合による金 員をそれぞれ支払え。 ①12万6087円に対する平成29年1月1日から ②670万8625円に対する平成30年1月1日から ③3770万8862円に対する平成31年1月1日から ④7877万8668円に対する令和2年1月1日から ⑤2212万8469円に対する令和2年4月1日から ⑥3260万9523円に対する令和2年11月1日から ⑦717万8746円に対する令和3年1月1日から ⑧969万6903円に対する令和3年3月1日から イ 被控訴人のその余の請求を棄却する。 2 本件附帯控訴について 被控訴人の附帯控訴を棄却する。 3 訴訟費用は第1、2審を通じこれを100分し、その85を 控訴人の、その余を被控訴人の負担とする。 4 この判決は、1項 アに限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。